福岡県糸島市二丈にある鳴き砂海岸「姉子の浜」
「鳴き砂」をご存知でしょうか。
鳴き砂(鳴り砂)とは、砂を踏むと「キュッキュッ」と音が鳴る砂浜のこと。
先日、訪れた福岡県糸島市にある「姉子の浜(あねごのはま)」がそうでした。
福岡空港から福岡県に暮らす友人の運転するクルマに乗せてもらい「さー、行けるところまで行ってみるか!」と、福岡市街地を囲むように走っている高速道路へ。冒険女子2人のドライブの始まり。
走っていると「クルマの運転って、脳を活性させてくれるのがわかる」と運転席の友人。
とくにスピードを上げているとき、脳がアガっていくのを感じるのだとか。
ふむふむ。
昔からクルマの運転に興味のない私ですが、この話を聞いて「脳の老化防止」のためにも免許を取得した方がよいかも~という気持ちに。
福岡タワーやショッピングモール「マリノア」の観覧車を遠目に眺め、ひたすら高速を走り、どこかの地点で右側の道路へ。やがて「今宿」という地名の標識が飛びこんできました。
「ここが今宿?ここからどこにつながるのだろう?ま、わかんないけど行ってみよう」
と友人。
しばらく走り続けていると「唐津」の文字が。
たしかジャック・マイヨールが潜った海は唐津だったよね、などと話していると、右手側に水面がキラッと美しく輝く海岸が目に飛びこんできた。
何か「持ってそう」な場所だ!
その海岸線を目指してひたすら走っていると、二丈町というところへ。
「漁港」や「姉子の浜」の標識を見つけ、国道202号線沿い(後で調べたら「唐津街道」という)にある姉子の浜へ行ってみることに。
10分ぐらい走ると休憩のパーキングが見え、その下にはずっと白い浜が弓なりに続いていた。
そこが「姉子の浜」。
この浜は玄界灘の荒波によって作られた鳴き砂の海岸が1.1kmも続いているのだとか。砂が鳴るのは石英の摩擦によるもので、この現象は九州ではこちらととあと数か所ぐらいか。
思いがけずたどりついた玄界灘と対峙する海岸。
白い砂浜では「夏が待ちきれない!」といわんばかりの肌見せファッションの女子3人が素足で過ごしているだけ。あとは誰もいない。
しばらく、ひっそりとしたプライベート感のある浜辺で佇んでみる。
玄界灘の荒波と強風雨に耐えて、生態系が進化したのか。
茎や葉、花びらにたくましさを感じる花。
ここはビーチというよりは「浜」だな。そう呼びたい。
「ビーチ」だと、たくさんの人の気配を感じる。
一方「浜」には静謐さを感じる。
日本語って同じものをさしているのに、用いるコトバによって印象がずいぶんと変わる不思議な言語ですことよ。
さて、この浜辺という環境はヒトの脳に働きかける場所でもあります。
まず、目の前に広がる玄界灘。
海は見るだけでもリラックス効果があり、浜辺を散歩することは脳のリセット効果に優れ、睡眠の質を高め、ストレスの減少にも。
そして裸足で歩く行為。砂を踏むことで足裏は刺激を受けます。すると足裏全体がマッサージされ、脳のはたらきを目覚めさせることに。
今は静かな浜ですが、海水浴シーズンになると、ここはどんな雰囲気になるのかしら?
芋の子を洗うみたいに人が集まる「ビーチ」になるんだろーか。
季節はずれの海からは想像できないけど。
などと思索しつつ、ひょんなことからたどり着いた、姉子の浜を後に。
せっかくだからと福岡の人たちが愛し、移住したい場所として今や大人気の糸島方面へドライブして、帰路につくことにしました。
続きます。
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