介護ロボットが現場デビューするために

2016年4月8日ニュースと考察

神奈川県の介護の現場に、介護ロボットHALが登場されたのは先月のこと。
2025年になると、団塊世代が75歳以上に達するといわれ、その頃になると介護の人材不足は今よりさらに進んでいて、約250万人(現在の倍)の人材を要すると算出されてます。

現況を考えると、これから介護の現場で、介護ロボットは幅広く活用されるでしょう。そうでないと、人材の不足は埋められないのでは?

平成27年6月12日 神奈川県 記者発表資料より

神奈川県では、介護・看護職員の負担軽減や質の高いケアを提供するため、本日、人の力のみで抱え上げない介護・看護の理念や技術の普及などを行う、「神奈川らくらく介護宣言」を発表しました。

あわせて、介護現場に最先端ロボット技術を導入し、職員の負担や将来の腰痛リスクを軽減することで職場の定着率の向上とロボットの社会実装・新しい社会システムの構築を目指す「職場処遇改善コンサルティング支援事業」として、本日より県内30箇所の介護等施設に、最先端のロボットスーツ「HAL®介護支援用(腰タイプ)」の試験導入を順次開始しました。

横浜市内の介護施設「芙蓉苑」で行った発表イベントには黒岩知事が参加し、「神奈川らくらく介護宣言」とロボットスーツHALの導入について自ら発表を行いました。

神奈川県が導入を決めたのは、サイボーグ型ロボットHAL®介護支援用(腰タイプ)。

HAL®の開発・製造・販売を行うのは、筑波大学の山海嘉之教授の研究・開発の成果をもとに立ちあげられたベンチャー企業のサイバーダイン社(つくば市)。
このサイバーダイン社は2008年に大和ハウス工業とロボットスーツの販売代理店契約を結び、事業資金を獲得しています。
(大和ハウスも先見の明あり!)
サイバーダイン社が開発した介護ロボット(介護スーツ)は、生体が発する微弱な電気信号を感知するのが特徴です。

この製品、素直にカッコいいです。
最近、いろいろな介護用ロボットが登場するけど、、実のところどれも今ひとつデザイン的にピンとこなかったのですが、このHAL®(腰用)はステキ。

なんといっても、デザインがスタイリッシュ。介護者に「装着してみたい」と思わせます。
しかも約2.9キロと軽量。駆動時間は約3時間。
フルボディタイプより、はるかにコンパクトだし、装着も簡単そう。

これなら介護者が女性であっても、気軽に利用できるかもしれません。介護の現場を熟知された方が開発されたのでしょうか、実用性が意匠に表れているような気がします。

介護の現状をロボットの開発側や導入する自治体は介護の問題をすべてロボットで解決したいとは思っていないはず。ロボットでも代用できることならロボットで。人間じゃないと出来ないことは人間で。
という思いでしょう。

かつて、家電やテクノロジーの分野で世界から注目を集めた日本ですが、今後はHAL®のような介護の分野の実用的なロボットの開発・製造分野で、先進的な役割をするような予感がします。

最後にHAL®作業支援タイプの紹介動画。
こちらの製品も農作業や建設現場などで活用されていくでしょう。