迷惑はかける!『あなたのなかのやんちゃな神さまとつきあう法』

2017年7月24日本の紹介

最近読んで面白かった『あなたのなかのやんちゃな神さまとつきあう法』。

著者の金城幸政さんが講演で訪れた老人ホームでの様子が書かれています。
平均85歳のお年寄りを前に著者は話し始めるのですが、ケンカとなり、お互い、言い合ってしまいます。

「長生きしている俺たちを憐れんでいるんだろ!」
「長生きが憐れ?そんなこというなんて絶対に許さない」

入所者のお年寄りは自分で自分の面倒ができないから、人にお世話してもらわないと生きていけない、子どもたちはめったに来ない…。
そんな状況から肩身が狭くなり、段々、性格がひねくれていってしまう。

金城さんは言います。
「そんな考え方や態度が若者に悪い影響を与えるんだよ。おしっこしたから替えてくださいと、なんで元気よく頼めないのか?生きていることがみじめってあるか。(中略)命にいちゃもんつけるな!(中略)年寄りの面倒を見ることをイヤがる人にほど、頼みごとをしなさい」。

このお年寄りたちの心を占めていたのは、「誰かに迷惑をかえてはいけない」「自分のことは自分でちゃんと整える」ということだったのでしょう。

迷惑はかけるもの」と金城さんはお書きになっています。
迷惑をかけられた時はそれを「迷惑」と受け取らない心を持つことが大切、と。

かつては自分で自分のことが何でも出来ていたけど、出来なくなってしまった人はいつでも「誰かにお任せ」モードに変更しても良いと思うんです。

高齢者施設に入居されている方でなかなか心を開いてくれない、かたくなな性格の人はまだ、モード変更出来ていないだけなのかも。

この本は神さまが友達のように身近に感じられるお話が満載。ページをめくっていくのがワクワクしました。

関連エントリー
音楽は認知症患者を目覚めさせる。映画『パーソナルソング』

80代のカメラマンが主人公。映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク 』
世田谷区の「認知症おうちカフェ キラリ会」へ。 足こぎ車イス体験も

宇宙人、地球行きたくないってよ。映画『美しき緑の星』
あるものを利用して、80歳のおばあちゃんが一旗上げる!