簡単な検査でがんの早期発見。課題は保険適用

2017年7月24日ニュースと考察

血液・唾液・尿を採取するだけで、レントゲンやCTなどの画像に映る前の段階で、膵臓、卵巣、胆管のがん細胞を発見できる遺伝子情報解析会社が2017年11月以降、川崎市に設立されます。

会社名は「キャンサー・プレシジョン・メディシン」。
日本の創薬ベンチャー企業と韓国の遺伝子分析会社の合弁で、社長には森隆弘氏(東北大医学部前特任教授)が就任する予定です。

(前略)「リキッドバイオプシー」と呼ばれる血液・唾液・尿を採取する手法を用い、レントゲンやCTなどの画像に映る前の段階でがん細胞を発見。遺伝子の塩基配列を同時並行的に読み出せる次世代シーケンサーを駆使して、高速に遺伝子情報を解析する。これによってがんを早期に診断し、分子標的薬が効くタイプの選別などを行うことが可能になる。

科学技術顧問として参画するがん遺伝学の権威、米シカゴ大の中村祐輔教授によると、リキッドバイオプシーは従来の画像検査より6~9カ月早く、がん細胞を見つけられるとのデータがある。

患者の細胞を採取する生検も初期検査では不要になる。体力の問題を抱える高齢者や肝臓・腎臓・心臓に異常がある人など、抗がん剤が使えないケースにも対応できるという。課題はリキッドバイオプシーが日本では保険適用されていないこと。中村氏は「このままでは日本は手遅れになるばかり。がんで絶望する患者さんを早い段階で救いたい」と保険適用の必要性を訴えた。

産経ニュース 2017.7.15 09:24更新より引用

リキッドバイオプシー(liquid biopsy)は内視鏡や針を使って腫瘍 組織を採取する検査ではなく、血液などの体液サンプルを使って診断 や治療効果予測を行う技術。

ただ課題もあり、血中のがん成分を効率よく、より高い精度で検出する技術に関心が集まっています。
従来の検査にくらべて、からだに負担の少ない検査なので近い将来は保険適用となり、普及していけば良いなと思います。

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