ケアプランをAI(人工知能)が作成する時代になるのか?

ニュースと考察

要介護者が介護保険サービスを受けるにはケアプラン(利用計画)の作成が必須です。通常はケアマネージャーが要介護度に合わせて、使う種類や頻度を決めて作成すしますが、厚労省の補助金を利用し、人工知能(AI)を導入し、ケアプラン作成を実施する企業も。

介護サービス大手のセントケア・ホールディング(本社・東京)がそう。

米ベンチャー企業と組み、ケアプランを自動的に作成するシステムを開発し、最適な質のプランをこれまでの半分の時間でできるようにするというもの。生産性を高めると同時に人材不足の緩和もねらいもあり、要介護認定された人への利用計画を提案する考え。

(前略)高齢者らが介護保険サービスを使う際に必要な利用計画(ケアプラン)の作成に人工知能(AI)を活用しようという研究が、このほど始まった。実際の約10万件のケアプランなど大量の情報をAIが学習。質のばらつきをなくして自立支援に最適なプランの作成を目指し、過剰なサービスの防止や現場の負担軽減を図る。


(中略)

 ケアプランは要介護度や疾病、生活環境などに応じて、介護サービスの種類や頻度を決める。利用者からの依頼でケアマネジャーがつくるのが一般的だ。

 ただ、ケアマネが雇用元の事業者の利益のために過剰なサービスを盛り込んだり、利用者の要求に漫然と応じてしまったりする問題が指摘されている。AIの活用でプランの最適化や作成時間の短縮を図る。

 研究では、介護予防や自立支援で先進的な取り組みをしている複数の自治体のアドバイスを得て、高齢者の心身状態などのデータをAIに学習させる。AIが数十人分のプランを試験的につくり、老年医学やリハビリ、栄養学などの専門家が適当かどうか検討する。最終的には、要介護度を改善・維持できるプラン、家族の負担を軽減できるプランなど、1人の利用者に対し複数の選択肢を提案できるようにしたい考え。

 ただ、実際のプラン作成には、利用者が自宅で日常、どのように生活しているかの確認など対面によるきめ細かい対応が必要。セントケア・ホールディングの担当者は「AIはあくまでもケアマネを支援するツールと位置付けて実用化を目指す」と話している。

2016.10.25 06:13 サンケイビズより引用

AI導入当初はケアマネージャーの仕事の補助をするという役割なのでしょう。

仕事の効率化も大切かもしれませんが、介護保険サービスの制限がある、要介護支援状態にある人たちが必要とするサポートを判別するなど、そういった部分でのAIの活用も期待したいところです。

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