現代は四猿。「みざる、きかざる、いわざる」+うたざる!?
昨日の八坂庚申堂の続きです。記事はこちら
こちらにはくくり猿のほか、三猿がいたるところに見られます。
ほら、写真のように屋根の上にも!
『みざる、きかざる、いわざる』で知られる三猿は、庚申さまのおつかいといわれ、人間の言動を戒めてくれるモチーフ。
庚申を信仰する場には青面金剛が安置され、その足元には三猿が見られます。
3匹のお猿さんは両手でそれぞれ、両目・両耳・口をふさいでいます。
目・・・余計なことは見ない
耳・・・余計なことは聞かない
口・・・余計はことは話さない
余計なことは、人間関係を悪化させるモト。
この3つの器官は薬にも毒にもなりますから。
「みざる きかざる いわざる」は、海外でも「Three wise monkeys」の名で、そのおしえを処世術とされています。
第一次世界大戦後のインド独立運動の指導者だったマハトマ・ガンディーも三猿のおしえにゆかりある人物。
「悪を見るな、悪を聞くな、悪を言うな」
と教えたそうです。
■現代は四猿。 SNSの戒めに「うたざる」も追加する?
「みざる きかざる いわざる」は古い戒めで、それが生まれた頃はSNSなどなかった時代です。
最近、SNSが人間関係のトラブルになることが多いようですね。
昨年のクリスマスイブに報道番組を見ていると、SNSを使う十代のうち四割が誰かの悪口を投稿したことがあるという内容の特集をやってました。
「それあるかも~!」と思ったのは、先日地下鉄で近くにいた女子たちが「いつも◯◯は彼氏とのイチャつき写真ばっかりでウザいんだよな。自慢ばっか。タイムラインにそれ書いてやれ!」と言ってるのを聞いたから。
余談ですが、SNSの投稿心理は「これやってる私ってすごいでしょ!」というアピール。
たとえば「今、ハワイでロコモコ食べてます。本場感楽しんでまーす」というSNSは、「私、ハワイ旅行を楽しんでます。で、日本では味わえない現地のロコモコ食べてんの。すごいでしょ」という心のあらわれ。
じゃー、不幸そうな内容の投稿は?というと、「私はユニークな存在です」アピール。
とくに写真付きの投稿はその思いが強いってことです。
SNSではないけど、私の知り合いの婦人は、ある人の悪口を友人にメールするつもりが、アドレスを誤り、当人に送ってしまった・・・という本人いわく「人生で指折りの赤っ恥」経験があります。
というわけで、「うたざる」の登場。
うたざる・・・余計なことは打たない。
この猿も追加すると「四猿」。
現代の戒めになるかも!?です。
八坂庚申堂はあちこちにぶらさがった色とりどりのくくり猿も楽しいですが、あちこちに三猿も見られるので、探してみてはどーでしょう。
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