イノシシ撃退にも。 レモングラスでまちおこしの武雄市

2016年6月6日旅行

先日、旅した佐賀県武雄市。

武雄ではいたるところでレモングラスの文字や製品を発見しました。

武雄市図書館でもレモングラスキャンデーやお茶が販売されていたし、泊まった温泉宿では月に1度、レモングラス風呂を実施しているそう。

レモングラス風呂かー、あの爽やかな香りが充満した浴空間で過ごせるシアワセ。
心身のコリがほどけ、湯上り後は気分爽快になるんだろーな。

で、どーして武雄市はレモングラスにゆかりが?

聞いた話では、野生のイノシシを撃退するために栽培され始めたのだとか。
農家さんの高齢化、それに伴い放棄された田畑が増え、悪さをするイノシシに住民は困っていたそうです。

そこで、イノシシを撃退する良い方法を探していたら、イノシシはレモングラスの匂いを嫌うことがわかり、平成18年より武雄市で栽培を開始したそうですよ。

苗は、タイのカオヤイにあるオーガニックファームからの輸入品。

レモングラスは多年草で、1本を植えるだけで大きな株になり、冬場以外は何度も収穫できます。レモングラスは生命力がとても強い植物だと思っています。ある時、収穫したばかりの茎を冬場に常温で放っておいたら、いつのまにか茎がのび、根が生えていたことがありました。

上の写真はタイのカオヤイの近くで自給自足に近い生活を営むタイ人のガーデンでレモングラスを収穫している私。包丁を使って根っこに近い茎の部分を刈り取っています。

その際、葉を後生大事にとっていると「葉の端っこで手がキレやすくなるから、捨てようね」と、さっさとレモングラスの葉を捨てていく友人・・・。(゚∀゚)

日本ではこの長く伸びた葉をお茶にすることが多いように思いますが、タイの友人によるとレモングラスの葉は捨てるもの。茎だけお茶や料理に使うそう。

「葉を捨てるなんてもったいない」となるところですが、茎だけ使うとはさすが、食料自給率約170%の国の人の発言ですわ。

日本の某ホテルのラウンジでは、レモングラスの長い葉をくくって小洒落た体で透明のティーポットでサービスしているところがありますが、前述したタイの友人が見たらビックリするの光景ではないかしら。

タイは屋台で焼いている鶏肉が3本あれば、1本はお客さんが買うもの、1本は貧しい人にあげるもの、1本は野良犬にやるものといわれるほど、食べるものが豊富にある国。なので、レモングラスの葉にはあまり執着しないのかも。

で、東南アジアではレモングラスを料理によく使いますよね。

タイ南部の郷土料理にはお米のサラダ「カオヤム」があり、レモングラスの茎をはじめ、数種のハーブとお米を混ぜて食べます。そして、レモングラスを使った料理の私的ナンバー1はバンコクのクロントゥーイ市場で売っている、鶏一羽のお腹にレモングラスを山ほど入れて窯焼きした「ガイ・オーン」。これはチキン料理の頂点に君臨するかも。

ベトナム中部の古都フエで食べた麺「ブン・ボー・フエ」のスープには牛や豚の骨や肉、レモングラスをふんだんに入れるのが特徴。それはとてもスパイシーで爽快な風味のスープが味わえるのです。

武雄に次回うかがったら、レモングラスを使った鍋や麺料理を食したいかも。

レモングラスを愛好する者として、武雄市のレモングラス栽培の取り組みに興味シンシン。 いつか畑を訪ねることを願っています。

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