冬、雪の日光聖地紀行1 二荒山神社のご神苑で丸い心に
「日光を見ずして結構と言うなかれ」という格言まである日光。
世界遺産にも指定されている二荒山神社、日光東照宮、輪王寺の「日光山内」をふところにいだく男体山がそびえるこの町は、徳川家や天皇家ゆかりの地でもあり、歴史や神社仏閣巡りが好きな人には大変魅力的な土地です。
今日は備忘録もかね、二荒山神社の神苑について記します。
ご神苑は二荒山神社の本殿に向かった左側に広がっています。
訪れたのは雪の日。
ほとんど人はいないだろうと聖域に足を踏み入れたものの、なんと入口まであふれんばかりの長者の列が!
ナニゴト!?
皆さん、神苑の奥にある湧き水「二荒霊泉」をくむことが目的でした。
雪が積もり、立っているだけでジーンと冷気がのぼってくるような寒さにもかかわらず、並んでいる方にうかがったら、その日のその時間帯が「お水とり」(開運の方法)に最適なのだそう。
皆さん、運を自ら開いていらっしゃる時点で素晴らしい。
なぜなら、「お水取り」を知ることだけでは、運は上がらないと思うから。
「良い方角のお水を飲むといいことがある」ということを知り、じゃあ行ってみようか!と行動した結果、何かしらいい感じ~、ラッキ~!ってことがその後にやってくる。
これがいわゆる「開運」の状態。
開運って現象うんぬんよりも、成功する(かもしれない)チャンスを信じて動くことなのかも。
と、寒い中、ペットボトルをかかえて並ぶ人たちを見てフト思ったのでした。
もし、自分がチャンスを与えられる天の存在として俯瞰して人間をみていたら(※妄想)、動いている人が目につきやすいだろうし、がんばっている人を見たら「あ、この人にチャンスをあげよう!」と思うはず。
多くの人がペットボトル持参でつめかけていた神苑のお水は、日光の霊水「二荒霊泉」といわれ、飲用も可能。
知恵がつく。目の病気に効く。若返る。
と言われる「知恵の水」「酒の水」「若水」の3種類が流れ出ています。
実は、この3種のお水のチョイスにこだわる人もいて、「知恵の水」しか飲まない(境内で学生さんと思しきカップルから聞いた)など、用途に合わせて?お水を持ち帰る人もいるようです。
その脇には、ここのお水を使ったお茶を楽しめるお茶屋さんも。
さて、2016年の干支はお猿さんですね、
神苑に入って左側にあるお社は日枝神社。
猿は日枝神社の神様のお使いであり、古くから「御神猿(ごしんえん)」として信仰され「魔去る(まさる)」と親しまれ、お猿さんとご縁が深いのです。
日枝神社のご祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)で、山の神様・健康の神様です。
二荒山神社の主祭神・大己貴命(大黒様)とも関係の深い神様です。
樹齢700年といわれるご神木。
その奥には笹に願いをこめると人生に良いご縁に恵まれると言われる「縁結びの笹」があります。
一番上の写真は「七福神」のセンター的な存在、大黒様をおまつりした大黒殿。
大国殿の裏には「高天原」とよばれる土地があるのですが、残念ながら降雪で近づくことさえ叶いませんでした。
ある人が言うにはこの高天原は神苑でも最強のパワーのある空間だとか。
こちらは大黒殿の前にある、人の心を丸くさせるという「円石」。
福の神に好かれるには「この人なら幸せやお金を授けてもよかろう。任せた!」と、天から信頼される人になることが大切な気がします。
「福」が丸~い風船のようなものだとしたら、するどい刃物のごとく心が尖っていると、その先に当たっただけでコッパミジンに散ってしまう。だから福を感じ取りにくい。
けれど、丸~い心でいると風船を受け止められるし、むしろ風船がピタっとくっついちゃいそう。
これは「福よせの法則」か!?
だからいつも丸い心でいることが大切ってことかな、と。
大黒様はボディもそうですが、そのお心も「丸~い」気がする。
だから、長年「七福神のセンター」的存在なのかしら(七福神のセンターはあくまでワタシの主観)と思ってみたり。
大黒殿のそばには、大黒様の盟友にして、ともに日本の国造りをした少名彦名命をおまつりする「朋友神社」が。
こちらは学問・知恵の神様ですが、縁結びにもご利益があるとか。
ちなみに、二荒霊泉の鳥居のそばには弁財天様も。
お水も流れていて、お札(コインではなくて)をサッと洗って帰る人たちも、ちらほらいらっしゃいました。
化け灯籠も雪をかぶっていました。
こちらは唐銅製春日造(重要文化財)の風格ある造形。
化け灯籠の名は、昔この燈籠に火をともすと、怪しい姿に化けたとか、ミノを着て歩いたとか、そんな伝説から。
日光山内を警備していた夜警が怪しみ、彼らによる刀傷が六角形の屋根に70ヶ所以上も見られます。 ヒ~(;_;)
そんな由来のある化け灯籠は現代に生きる眼でみても、魔界のにおいがする意匠。
火を灯さなくても、なんともいえない存在感があります。
朱色の柵が結界を張っているようにも思えるしw
続きます。
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