将来、全国の大型団地が医療・福祉の拠点に
高齢化する社会に対応するよう、大型団地が医療や福祉の拠点として転用される動きです。
住まいにはエレベーターやスロープなどのバリアフリー、浴室のヒートショック対策なども取り入れ、団地内の施設も高齢化に伴ったサービスを重点的に考えられるようになるでしょう。
国土交通省が2016~25年度までの10年間の住宅政策の方向性
を示す「住生活基本計画」の原案が18日、明らかになった。独立行政
法人の都市再生機構(UR)が全国に抱える大型団地のうち150カ所程度
に介護サービス施設などを誘致し、地域の医療福祉拠点に転用するのが
柱だ。不動産市場の活性化に向け、中古住宅の流通規模を2025年に
8兆円(13年は4兆円)へ倍増する目標も掲げる。国交省は住生活基本法にもとづき、同基本計画をおおむね5年に1度
見直している。見直し案を22日開催する有識者会議に提示した上で個
別分野の詰めを進め、3月にも新計画を閣議決定する。「少子高齢化へ
の対応」と「マンション・団地老朽化対策」、さらに全国に広がる「空
き家をどう抑えていくか」という3つの優先課題にすえる。– URの150物件で –
高齢化対策では、URが大都市圏に持つ1000戸以上の約200団地
について、25年までに150団地程度を地域の医療福祉拠点にする。(中略)
高齢化で増え続ける空き家の対策も推進する。昨年5月に全面施工さ
れた空き家対策措置法にもとづき、各地の状況に応じた「空き家等対策
計画」をつくる市区町村数を20年に全国の役8割(14年でゼロ)に
する。(日本経済新聞2016年1月19日(火)13版より)
最近、甘利氏大臣の辞任問題にからんでいることで注目を集めているUR。
URは、かつて民営化の動きもありましたが、現在も「独立行政法人」で、政府の99.8%の子会社的な団体。(0.2%は地方自治体)
推進している「健康寿命サポート住宅」は、高齢者が移動する際にともなう転倒の防止に配慮した住宅改修、外出したくなるような環境整備をコンセプトにした名称で、健康寿命をのばすことを考えてつくられています。
具体的には、高齢化にともなう住宅の改修も行われ、玄関の手すりやゆっくり閉まるドアの設置をはじめ、トイレの段差を少なくしたり、浴室にはヒーターや冷感を軽減する床などを実施。
URの目指す「健康寿命」をのばす住宅ですが、これから新たな機能の開発・設置に期待したいところ。