後期高齢者の「虚弱」対策にタンパク質を強化しましょう

食べもの

中年の健康(肥満)対策で注目を集めているのはメタボの解消。

メタボとは「メタボリックシンドローム」の略で「内臓脂肪症候群」のこと。
これは腸のまわりや腹腔内にたまる「内臓脂肪」が蓄積され、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病を引き起こすこと。これは、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化を急速に進行させてしまうことに。

中年期はメタボ対策が課題ですが、一方、後期高齢者は肥満よりも「虚弱」が重要な課題であることが厚生労働省研究班の発表でわかりました。

 (前略) 研究班は、75歳以上の後期高齢者に着目。国内の高齢医学分野の研究を複数分析したところ、肥満よりも、栄養不足に伴って体力、認知機能などが低下する「虚弱」の深刻さが浮かび上がった。

介護が必要になる要因を見ると、虚弱関連が5割超で脳卒中など生活習慣病関連の3割より多かった。75歳以上になると、食べる力が衰え、体力や認知機能が低下し、行動範囲も狭まりがちなことも指摘。提言では、後期高齢者向けの保健指導として、虚弱状態のチェックリストの作成や、栄養士などによる訪問指導などの対策を挙げた。

2016年4月13日 ヨミドクター・シニアニュースより

わかりやすくいえば「高齢化にともない、栄養たっぷりの食事を十分にとろう!」ということでしょうか。

高齢者が積極的に摂取していただきたい栄養素の1つがタンパク質です。

老化は筋肉や血管、免疫細胞に関わる「アルブミン」を作る力が徐々に弱まる傾向にみられる現象です。
高齢になると、若い時以上にお肉などに含まれるタンパク質を多くとらないと、アルブミンの減少が加速します。

現象としては、筋肉が落ち、血管がもろくなって、免疫細胞も働きにくくなる。
つまり、さまざまな病気が進むことに。

タンパク質は魚や大豆でも摂取可能ですが、お肉は鉄分や脂肪なども一緒にとれます。とくに牛肉にはハッピーホルモンといわれるアナンダミドが含まれているので、食後は「幸せ~」な気分に包まれます。

私の周囲の80代でよくお肉を食べる方は、皆さん、ハツラツとして本当にお元気。
なかには「川べりの道を走るため、この年でマウンテンバイクを買っちゃったよ!」なんて言う方も。

後期高齢者の「ノー虚弱」対策。
ご本人もご家族の方もタンパク質を積極的にとる食事、そして「共食」できる環境も推進していきたいものですね。

関連エントリー
高齢者に牛肉を食べてほしいワケ
願いを叶えている人が内緒で食べているセロトニン食
高齢の独居男性は2.7倍!孤食は鬱リスクを高める