ロイテリ菌を増やして虫歯や歯周病菌をやっつけろ!　スウェーデン発バクテリアセラピー

2019年1月28日2020年5月4日ライフスタイル, 世田谷の介護

最近、ひんぱんに「菌活」という言葉を聞くようになりました。
人間は菌とともに生きているといってもいいほど、人の身体には約2kgの菌が存在するといわれています。

菌には「善玉菌」「悪玉菌」があり、それぞれがバランスを保ちながら共存しています。
口腔内にも菌は存在し、約700種類のうち約100種類が歯周病や虫歯の原因となるといわれています。

○菌は菌で制せ! 善玉菌と悪玉菌とのバランスをコントロールする技術
人の身体に良い働きをする善玉菌（プロバイオティクス）を摂取することによって、善玉菌と悪玉菌とのバランスをコントロールする「バクテリアセラピー」という新しい技術があると知り、世田谷区代沢のあわしまデンタルオフィスの岡本裕子医院長にお話をうかがいました。

「プロバイオティクスはヨーグルト製品などに含まれるので、その名前をご存知の人もいらっしゃるでしょう。
今回紹介するプロバイオティクスは口腔内に用いるもの。
お口の中の善玉菌を増やすための「菌活」といってもいいかもしれません」

口腔内の良い菌が増えることは、それだけ歯周病に対応できるということです。

「これまでスケーリング（歯石除去）などで口腔内の環境は改善できていましたが、菌によって細菌を減らすといった医療技術はありませんでした。殺菌という方法もありますが、殺菌しすぎると良い菌まで減らすことになってしまう。スウェーデンで生まれた、L.ロイテリ菌をいかしたバクテリアセラピーを虫歯の多い患者様にすすめていますが、3ヶ月続けることで虫歯が劇的に少なくなっています」(岡本裕子医院長)

バクテリアセラピーに活用されるのL.ロイテリ菌という、人口腔細菌由来の天然乳酸菌。お口の中に生着させ、虫歯菌や歯周病菌を殺菌・抑制することで、虫歯や歯周病を予防する働きがあります。

○意外にもカンタンなバクテリアセラピーの方法
ご自身もバクテリアセラピーを試したという岡本医院長。
「毎晩、丁寧にブラッシングをした後、タブレットを舐めるだけです。こうしてL.ロイテリ菌を口腔内に生着させます。生着には個人差があり、１ヶ月から２ヶ月以上かかる人もいます。しかし、なかには生着しない方もいるようです」

タブレットを試食した(舐めて溶かしてみた)ところ、うっすらミント味のラムネ菓子のよう。
実際に試した人のなかには(L.ロイテリ菌が口腔内に生着すると乳酸が発生することで)口の中のネバつきが気にならなくなり、歯垢や歯石が付きにくくなるという報告もあります。たしかに翌朝の口の中はスッキリ!

○高齢者も摂取したいL.ロイテリ菌
毎年、日本人の平均寿命は延びています。
しかし、「寝たきり」の期間が長いのも事実。他の国の寝たきり期間は平均7年ですが、日本では男性が9.02年、女性は12.4年というデータが発表されています。

寝たきりを予防するには医療機関にかかるだけではなく、食生活をはじめとする生活習慣の見直しや定期的にする運動も必要。そして、人の免疫にも関わりのある菌のバランスをコントロールすることも大切です。

岡本医院長は体内にL.ロイテリ菌をとりいれることで、

1 歯周病が減ることで血管機能の回復に働きかける
2.タブレットを舐めることで唾液が出て自浄作用が働く
3.免疫力にはたらきかける
4.便通にはたらきかける

と話します。

L.ロイテリ菌を活用したバクテリアセラピーは子どもや高齢者にも副作用がなく、現在、90以上の医療機関で導入されています。

虫歯や歯周病などは放置したままでは改善は望めません。
口腔内の負担を減らすためにも、タブレットを舐めるだけといったカンタンな菌活「バクテリアセラピー」だったら、気軽に利用できるかも。歯と歯ぐきの健康を守るためにこれから注目を集めそうです。
なお、バクテリアセラピーはスケーリングを終えた後に行うことで効果が高まるので、スタートするタイミングを歯医者さんに相談してみましょう。