75歳以上の運転免許保有者。10年で倍増し、過去最多

ニュースと考察

高齢者の自動車運転が何かと話題になっています。
今年6月末の時点で、75歳以上の運転免許保有者数はここ10年で倍増し、過去最多の495万人余りに達していることが警察庁のまとめでわかりました。

(前略)警察庁によると、2015年末現在の75歳以上の免許保有者は477万9968人。05年末(236万5533人)から10年で2倍超になった。最新のデータ(今年6月末現在)ではさらに増え、過去最多の495万3912人。全免許保有者に占める75歳以上の割合は05年末に3.0%だったが、15年末は5.8%、6月末には6.0%になった。NPO法人高齢者安全運転支援研究会(東京)の浦上克哉理事=鳥取大教授=は「20年代半ばには、マイカーブームを支えた団塊世代がすべて75歳以上になり、増加に一層拍車がかかる」と話す。

一方、15年1年間の交通事故件数は約51万件で、05年の88万3730件から4割超減った。ただ、75歳以上が過失の重い「第1当事者」となった事故の割合は、3.2%(05年)から6.5%(15年)に倍増。重大な事故も相次ぎ、昨年11月に福岡県みやま市で93歳女性の車がバイクに衝突し、乗っていた高校2年の男子生徒が一時重体に。今年10月には横浜市で87歳男性の軽トラックが登校中の児童の列に突っ込み、小学1年の男児が死亡した。

全免許保有者に占める75歳以上の割合を都道府県別に比較すると、長野が9.3%と最も高く、宮崎と島根が8.8%、高知と山形が8.7%と続き、全国平均(6.0%)を上回る自治体のほとんどは人口の少ない地域だった。一方、東京(3.4%)、大阪(4.1%)、神奈川(4.4%)など都市圏では軒並み低率だった。

松永勝也・九州大名誉教授(交通心理学)は「高齢ドライバーは身体的な衰えから状況に気付くまでの時間が長くなり、出合い頭の事故が多い。しかし、地方は車なしでは生活できない環境だ。自主返納ありきではなく、安全運転教育で事故を減らす取り組みが必要だ」と話す。【青木絵美】(後略)

毎日新聞 12/27(火) 8:00配信より引用

運転免許保有者は過去最多で、10年前にくらべて倍増しています。
が、一方交通事故では75歳以上の高齢者が加害者となるケースも10年前の倍に…。

先日、広島県でお会いした72歳の女性は40年以上ペーパードライバーでしたが、70歳になり改めて講習を受けて、今では自分のクルマで外出を楽しんでいると仰っていました。

上記の記事に記されているよう、地方に暮らす人ほど免許保有者が多いですね。
やはり「足」として運転免許は欠かせない存在なのだと思います。
自主返納したら、生活の足が確保できなくなってしまう・・・という状況が浮き彫りに。

先日はホンダとグーグルが「完全自動運転」カーの協同研究を発表しましたが、自動運転カーが一般に普及するまでの間は運転免許は確保したいと考える人は多いと思います。

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