オランダの高齢者のための集合住宅「WOZOCO」
先日紹介したオランダ・アムステルダムのロイドホテル。
記事はこちら。
このホテルのリノベーションを手がけたのは同国ロッテルダムに本拠をおく、建築家集団MVRDV(エムブイアールディーブイ)。
MVRDVの初期の作品が、アムステルダムにあるWOZOCO(オクラホマはニックネーム?)という高齢者専用の100戸の集合住宅です。( 上の写真)
1993 年に建てられたこの建物は一世を風靡する存在感があり、建築専門雑誌にも取り上げられ、MVRDVの出世作となりました。
さて、この建築で特徴的なのは張り出し。
写真だけではわかりにくいですが、11.3mも張り出しているところがあるとか。
この張り出しは「キャンティレバー」(cantilever、通称「キャンティ」)という手法で、片側だけが固定されて、もう一方の側は固定されていない「片持ち式」構造のこと。
この真下を歩いたらどんな感じだろう?
落ちてこないかと心配になる人がいるかも~。
さて、この集合住宅は人目をひく衝撃的な外観にある役目があるように思います。
それは「人を集める」力。
この建築を見に来た人の中にはオタク的な建築ウォッチャーや物見遊山な人もいるだろうし、「遠目に見えたありゃ何だ?」と、ただ確認するために立ち寄った人もいるでしょう。
もしかしたら、この住宅に暮らす人と出くわすと、何かしらのコミュニケーションが生まれるかもしれない…。
そうだとしたら、建築は雨風をしのぎ、災害などから身を守るための役割だけでなく、人と人をつなぐ媒介者になる。
それってステキなことだと思いません?
人と人を「つなぐ」役割のある建築って。
しかし、WOZOCOに暮らしている方たちのお部屋って、どんな感じなのだろう。
あの張り出し部分から外をながめるとどんな風景だろう?そしてどんな気分が生まれるのだろう?
気になる~。
ちなみにMVRDVは東京・表参道のGYREビルの設計も担当しています。日本で唯一の彼らの作品かな?コンセプトなど、プロデュースした竹中工務店のこの解説がわかりやすいです。こちら
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