高齢者の意外と高いインターネット利用率
高齢者オンライナー事情について備忘録的にまとめます。
今、日本で65歳を超えるシニア世代は、約3000万人。
全人口に占める割合は約23%ということは、5人に1人が高齢者ということになります。
高齢者の人たちの中には、パソコンやスマホなどの情報機器を必要としないで生きている人もいると思います。
いわゆるオフライナーですね。
これから新しい機器を生活に取り入れるのは、覚えることが苦手だったり、現状で何も不足がないと考える人も多いのではないかと思います。
私の70代の母もオフライナー。
パソコンはおろか、スマホも持っていません。
唯一、生活で用いるデジタル的な機器といえば、デジカメ(PCに取り込む方法は知らないけど)とテレビ。
都会ではないので、日常的に通販などを利用したら、見聞も広がるし、ラクなのになぁ。
と思うのですが、本人はオンライナーに興味がないようです。
■高齢者オンライナー
さて。高齢者のオンライナーってどのくらい、いるのでしょうか?
調べてみたら、国民全体の利用率が73.8%。それにたいして60歳以上の利用率は42.2%。
うち、60~64歳でインターネットを利用している割合は66.6%です。
意外にも高い数字にちょっと驚きました。
高齢者のインターネット利用率(平成25年)
60~64歳 男性66.6% 女性 73.8% 平均59.7%
65~69歳 男性56.3% 女性 63.6% 平均 49.5%
70~79歳 男性35.3% 女性42.6% 平均 29.4%
80歳以上 男性14.2% 女性 17.9% 平均12.3% です。
■高齢者のネットショッピング事情
さて、ヤフーが発表した「高齢者のインターネット利用に関する意識調査2015」は、過去の総務省の調査結果とYahoo!検索の検索データを基に考察されたもの。
興味深く、時代の資料性が高いので、まとめてみます。
◯高齢者世帯のインターネットショッピング支出(1カ月間)
支出総額は10年前は347円だったのに対し、平成25年は2065円と約6倍に。
世帯の割合については、10年前の2.5%が平成25年は9.9%と、約4倍の伸び率が見られます。
10年前もオンラインショッピングはそれなりに普及していましたが、10年にして約4倍に伸びたということとは、それだけPC、スマホを利用してお買い物をする(通販という手段もあることを知った)人が増えたということですね。
◯60歳以上がインターネットで購入した商品・サービス
10%を超えているものは「日用雑貨」(15.0%) つづいて「趣味関連品」(10.3%)、「各種チケット・金券」(10.1%)。
「各種チケット・金券」には、「交通機関、ホテル・旅館、コンサート等のチケット予約及び購入」が含まれています。 実際、シニア層が検索しているワードで多いのは、パソコンでは「旅行関連」「ポイントサイト関連」、スマートフォンは「交流サイト関連」だとか。
旅行関連のニーズが高いのはよくわかります。
リタイアして、悠々自適な生活をされている、かつて金融関係にお勤めだった男性(都内在住)は数年前に1ヶ月に1度はお仲間と海外旅行を楽しんでいるそう。
「年金があるし、時間もあるから、現役に頃にはなかなか行けなかった外国へ」と。
この方とは今年3月にベトナム・ダナン行きの航空機で知り合ったのですが、「先月はオーストラリア。来月はモロッコ」と、海外旅行を中心に生活をされているといってもおおげさではないほど。
自分でチケットとお宿を手配する自由旅行ではなく、ツアーを利用されるみたいです。
現地を案内してもらうガイドは必須で、日本からの添乗員の有無はケースバイケースということでした。
そして、機内には彼と同世代の方たちが多くいらしたのも印象的でした。
■通販は団塊世代が牽引役になる!?
前述した男性は「団塊の世代」の方なのですが、この方たちは現代のライフスタイルを築き上げた人たちと言われています。
私が個人的に好きな60,70年代の文化(サイケデリック、ヒッピー、横尾忠則、土方巽、美輪明宏など)のまっただ中にいて、感性を養った人たち。
学生運動も経験した、この世代の人たちと話していると、良いもの(作品、ムーヴメント)を吸収してこられたのだなとつくづく感じます。
ひとくくりしてはナンですが、こんな好奇心旺盛な世代の人たちにとって、新しいガシェットを使いこなすのは朝飯前であり、むしろ若い世代よりも深く知っていることが多いのではないかと思うことはしばしば。
若い頃から恵まれた文化の中で過ごされてきた方たちだから、旅行や舞台・映画鑑賞など、娯楽面には関心が高いと思われます。
さて、20年後は65歳以上の高齢者の割合は33.4%と、約3人に1人が高齢者になるといわれています。
その頃のオンラインショッパーの伸び率はどうなっているのでしょうか。