高齢者が栽培しやすいパッションフルーツ

2016年4月4日食べもの

最近、トロピカルフルーツが日本で栽培されるようになりました。
このパッションフルーツもそのひとつ。

昔は南国に行かないと、トロピカルフルーツは食べられなかったのに、最近は温暖化の影響もあるのでしょう。
日本の温暖な地方ではトロピカルフルーツが栽培・収穫されるようになり、フツーに国産のものがスーパーに並んでいます。

先日の記事では果物の王様、ドリアンについてふれましたが、このドリアンはなかなか日本で栽培するのは難しいようです。
熱帯雨林の地域特有の気候でないと実が成らず、果樹も15m以上になるドリアンが栽培できるようになる時代は当分こないようにと思いますが、万が一、可能になったら、その頃の日本の気候は大きく変化しているでしょう。

■緑のカーテンにも
日本のホームセンターでも苗が販売されていて、栽培の難易度はそれほど高くはないパッションフルーツは、つる性の植物。成長が速いのが特徴で、1日30cmものびることも。
(本当に速っ!(^^ゞ)

樹勢が旺盛なので、夏場はゴーヤと同様「緑のカーテン」が楽しめます。
苗から育てるとわかると思いますが、熱帯生まれの植物は水を盛んに吸い上げます。
これは葉からの気化により、熱気を奪ってくれる役目を果たしてくれるんです。

パッションフルーツも同様で、よほど合わない土地でない限り、葉は枯れません。
エコフレンドリーですね。

そして栽培に問題なければ、秋になると時計のような大きな花や甘酸っぱい果実を楽しむことが出来ます。
この大きな花が咲くことから、和名を果物時計草(クダモノトケイソウ)と言います。

■「情熱」ではなかった…パッションフルーツの名前
パッションフルーツ(passion fruits)のパッションは、どのような意味があるかご存じでしょうか。

南国生まれのフルーツだからパッション(情熱)と思うでしょうが、実は違うのです。
パッションとは神学用語で「受難」を意味し、このフルーツの花がキリストが十字架にかけられている姿に似ているということから、名付けられたそうです。
フルーツ自体のいわれではなく、あくまで花のカタチに意味があるのですね。

パッションフルーツを食す時は、上の写真のように2つに皮を割ります。
たいてい皮に爪を立てると、簡単に割れます。

皮を割ると、フレグランスにしたいほど良い香りが立ちのぼります。
スプーンですくって食べるゼリー状の果肉は甘みと酸味が同居し、グシュッとした舌触りはトロピカルフルーツならでは。種も食べられます。
糖度は17~18度。
(初めて食べた時、世界にはこんなに美味しい果物があるのか!と感嘆してしまったワタシ)
種にはアンチエイジング効果があるといわれるピセアタンノールが含まれています。

若いパッションフルーツは酸味が強いですが、酸味少なめの甘めがお好きであれば、常温で保存し、皮にシワが入ってくるまで追熟させてください。

■高齢者にとって交配・収穫の作業がしやすい
主な栄養分はβカロテン、カリウム、葉酸、ビタミンB6、ナイアシン、鉄なのですが、ここでは葉酸に注目してみましょう。

実はパッションフルーツに含まれる葉酸の量は、フルーツの中でもトップクラスなんです。
葉酸摂取といえば、妊娠中の女性ですね。
そして、最近では認知症の予防にも効果があるといわれています。

また、トロピカルフルーツの交配や収穫は棚仕立てのように手を上げて作業する必要がないので、交配や収穫が容易です。
ただし、冬場に弱い性質なので、温度管理には注意が必要です。
が、農作業の負担が比較的少ないので、栽培は高齢者向き。

夏場の緑のカーテン、そして秋の収穫と、栽培する楽しみがあるパッションフルーツ。
露地栽培は高齢者でも取り組みやすいので、これから栽培を推進する行政も出てくるのではないでしょうか。

ところで、Amazonで苗や果実も販売しているんてすね。ちょっとビックリ^_^;

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