要介護度ではかれる!?特養の入所見合わせ

ニュースと考察

特別養護老人ホームの約2割が要介護3の入所を見合わせている…。
毎日新聞がアンケートをとったところ、そのような実情がわかりました。

2015年政府は特養への入所者を要介護3以上に制限すると発表しました。
このことが影響していると思われます。

(前略)アンケートは2月、東京都、大阪府と全国の政令市で特養ホーム計1000施設に実施、359施設から回答を得た。要介護3を「将来の退所の可能性を考慮して入所を見合わせる例があるか」との問いに66施設(18.4%)が「ある」と回答。うち6割程度が「次の認定で2以下に下がりそうなら見合わせる」(首都圏の施設)とした。

 また国は、過去半年~1年の新規入所者に占める要介護4、5を7割以上にすれば介護報酬で高い加算をつけており、3割程度が「算定できなくなると厳しい」(九州の施設)ことも理由とした。

 回答した施設からは要介護1、2でも「徘徊(はいかい)のある認知症や老老介護などで施設入所が適当な例も多い」(関西の施設)との指摘が多数寄せられた。

 一方、満床の維持が難しいとされる「施設定員に対する待機者の割合」が50%以下となった施設が13.6%あり、一部で入所が容易な実態がわかった。厚生労働省の委託を受けた「みずほ情報総研」の昨年の調査でも26%の特養が「空きがある」と回答。うち9.8%は「申し込みが少ない」ことを理由とした。国の入所制限は、特養ホームの一部が入りやすく空きもある実態とかけ離れており、整合性が問われる。

 厚労省高齢者支援課は「各施設の判断で要介護4、5の方ばかり入れるのは悪いとは言えないが、国としては3を入れないという政策はない」と話す。介護保険に詳しい伊藤周平・鹿児島大法文学部教授は「国が入所制限を厳しく誘導している実態が明らかになったが、これで介護難民が減ることはなく、入所者や家族に不安を呼び起こしている。小手先の政策はもう限界で、公費を増やし、施設を拡充する抜本見直しが必要だ」と指摘する。【斎藤義彦、稲田佳代】

5/5(金) 7:00配信 毎日新聞より引用

2015年の改定での介護報酬の加算や不明瞭な要介護認定が影響し、特養側も受け入れを見直し、あるいは様子見といったところなのでしょう。

介護度が1つ違うだけで、受け入れを敬遠される。。。
ただ、要介護認定を受ける際もいくつものプロセスを経て容易ではない。

要介護1、2でも在宅介護が困難な高齢者もいらっしゃいます。

介護度を目安に受け入れを決めてよいのだろうか?
と、介護の現場で働く人も感じているかもしれません。

関連エントリー
浄土真宗の僧侶が医療・介護の現場で「心のケア」を担当
世田谷区の「認知症おうちカフェ キラリ会」へ。 足こぎ車イス体験も
認知症おうちカフェ キラリ会2 「同じ釜の飯を食う」オナカマ効果
認知症カフェをマクドナルドで開催。埼玉県飯能市
これから全国で「認知症カフェ」の設置と活用が増えそう
認知症ケアに役立つ福祉用具とシステム機器の展示会へ行ってきました