自分らしさにこだわった骨つぼを生前に購入するシニア層

ニュースと考察

「終活」という言葉が世の中に登場し、人生をどう終えるかを真摯に受け止めるシニアが増え、エンディングノートがブームになりました。
最近では生前に自分らしさにこだわった「骨つぼ」を購入する方も増えているそうです。

(前略)ユリなどの花柄、趣のある山水画。有田焼の老舗メーカー「深川製磁」博多店(福岡市)には、大小10個超の骨つぼが並ぶ。価格は2万円~48万6千円と幅広い。

「手元供養」が増えているのも背景に
 営業本部長の金原祥文さん(72)によると、2008年から骨つぼの取り扱いを始めた。その後、徐々に売れ行きがよくなり、16年の売り上げは当初の約3倍に。購入者は70代前後が中心で「最近は息子さんや娘さんと一緒に来店する方も増えました」。

(中略)子どもたちからプレゼントされ、生前は自室の装飾品として楽しむケースもあるという。

 波佐見焼がルーツの「英一郎製磁」(福岡県春日市)はオーダーメードを受け付けている。年間数個ほどだが「皆さん、それぞれに思い入れがあります」と代表の森永英一郎さん(50)。「世界で一つの骨つぼ」を創作するため、自宅に出向いて人生観を詳しく聞き取り、デザインに投影する。価格はメーカーや素材によって異なるが、最低でも30万円という。

 シニア層が骨つぼに愛着する理由について、有田焼の製品を扱う「ひちょうざん」(広島市)の担当者は「ひつぎと違い、亡くなった後も自分の意思を形に残せるためでは」と分析する。華道をたしなんでいた80代女性が「白い骨つぼは冷たく感じるので、華やかな物に入りたい」と来店し、好きな花の柄が入った品を購入したことも。

 少子化や核家族化の影響で管理に手が掛かる墓を持たずに、自宅に骨つぼを置く「手元供養」が増えているのも背景にあるという。各メーカーは「多死社会の到来を背景に『死後のすみか』となる骨つぼへの関心は今後ますます高まる」と、商機としても見据える。

西日本新聞社6/19(月) 10:49配信より引用

なかには、骨つぼをオーダーメイドできる会社もあるそう。
ありきたりの白磁のものではなく、記事にある「華やかなもの」や自分らしさが表れたデザインの骨つぼのニーズはあるように思います。

骨つぼだけでなく、あの世へ旅立つ時に着る白装束を生前、用意する方もいらっしゃるそう。「旅立ち」のための道具はこれからも注目を集めることでしょう。

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