ステキな自家製! エナメル革をリカラーしたスニーカー
久しぶりに会った写真家の友人が履いていたのは、エナメル革のスニーカー(上の写真)。
ネイビーがかった青色がステキ!そしてブルー系の色を基調としたファッションにこの靴が映えていました。
「PUMAの限定カラー?」と尋ねたところ、なんと自分でダイロン(染料)を使って染めたそう。
自家製で靴をリカラー\(◎o◎)/!
友人によると、このスニーカーの元の色はホワイトで、履いていくうちに、経年変化でアイボリーっぽい色味になってしまったそう。
そこで、思いついたのは、シャツを染める要領で好みの色に染めること。
エナメル革の靴を染めるってほとんど聞いたことはない。けれど「ものは試し、失敗したらそれまでのこと」と、大胆無敵にもそう思った彼女は、たっぷりのお湯にダイロン(ネイビーの一番濃いカラー)を入れて溶かし、半日ぐらいかけてスニーカー全体に染料が浸かるように靴の左右をひっくりかえしたり、ときおり色味をチェックしたり、といった作業を行ったそうです。
その結果、見事にエナメル革は薄いネイビーに仕上がりました。
しかも運よく、PUMAの刺繍だけは白いままで(笑)
別の日に、同色のダイロンで白いシャツを染めた時は、しっかりとした濃紺の見本カラー同様に仕上がったそうですが、エナメル革の場合は薄めの紺色に染まるよう。けれど、この色味がシックで、なかなかステキ。
エナメル革のスニーカーを専門店ではなく、自ら染めるというセンスも素敵ですが、その根底にあるのは、縁があって自分の所有物となったモノを大切にする心。
とくに白色の靴はいくら手入れをしても、やがてベージュやグレーっぽくなってしまい、購入した時のボルテージも経年変化してしまうことも^^;
けれど、この写真家の友人は大胆にもエナメル革を自宅で染めるという、フツーの人はあまりやらなさそうなことにトライし、結果、靴をよみがえらせることに成功したわけです。
かつて、彼女とお仕事をご一緒させていただいた時のこと。
ある料理撮影の際、「食べものの撮影をする時、よい写真を撮るためには何を大切にされてます?」と尋ねたことがある。
かえってきた答えは「おそうじすること」。
シンプルなその答えの背景にあるのは、お料理を盛るお皿が少しでも汚れていないか、被写体の下に敷く紙や布にチリひとつ落ちていないか、シワが寄ってないか、カトラリーなどは磨かれているか、といった配慮。
食べものを美味しそうに撮りたかったら、構図や照明やレフ板のあて方を工夫する前に、裏方の部分、つまり、おそうじに目と心を配ることだと。
その心が表れていたのでしょう、彼女の撮影する写真は「どれも食べたい!」と思わせるものばかりでした。
足元をシックに飾るネイビーのスニーカーを見て、彼女の素晴らしい仕事の数々をしみじみ思い出したのでした。
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