イギリスでは糖分の多い飲料に課税。子どもの肥満対策
イギリスでユニークな課税方法が発表されました。
2018年から実施される、その課税対象とは?
ロンドン(CNNMoney) 英政府は16日、子どもの肥満対策の一環として糖分の多い飲料への課税を行うと発表した。
課税対象となるのは100ミリリットルあたりの砂糖の含有量が5グラムを超えた飲料。牛乳ベースの飲み物や果汁には適用されない。砂糖の量が8グラムを超えるとさらに高い税率が適用される。これにはコーラ飲料などの炭酸飲料が該当する。
英政府の狙いは、先進国の中でもっとも高いとされる同国の子どもの肥満率を引き下げることだ。英国では小学校卒業時の子どもの5人に1人が肥満だとされる。
政府が引用した研究論文によれば、児童期の肥満の大きな原因が砂糖だ。
(中略)
過去数年にわたって「砂糖税」の導入を求める運動を続けてきた人気シェフのジェイミー・オリバー氏は「世界中に影響を与える大きな動きだ」と課税を評価した。米ニューヨークで同様の税金の導入を目指したブルームバーグ前市長も「肥満と糖尿病を減らす世界的な戦いで英国はトップに立った」と述べた。
政府の文書によれば、税額は1リットルあたり0.18ポンド(約29円)で、高税率が適用された場合には0.24ポンド(約39円)となる。
課税は2018年4月から始まり、初年の税収は5億2000万ポンド(約837億円)と見込まれている。英政府はこの税収を学校でのスポーツ振興に使う予定だ。
CNN .co.jp 2016.03.17 Thu posted at 12:52 JST より引用
以前からSugar taxについてイギリスでは議論が巻き起こっていました。
糖尿病などの成人病の原因の1つが肥満。今回の課税は糖分をたっぷり含んだ飲料の値段を高く設定することで、できるだけ消費を減らす考えでしょう。そうすることで、肥満が引き起こす病気の警告にもなるし、医療費の削減にもつながるはずです。
今回の課税もそうですが、イギリスは健康面に留意したムーヴメントを世界に発信できる、影響力のある国。21世紀に入り、ロンドンで有機野菜や玄米などヘルシーな食を中心にオーガニックブームが起こったのも記憶にあたらしいところ。そのあたりの事情は高城剛さんの『オーガニック革命』に詳しく書かれています。
イケメン(アイドル)シェフとして鮮やかなデビューを飾ったジェイミー・オリバーは今やイギリスの若き食の重鎮。彼はイギリスの学校給食を改善する運動に長く取り組んできました。
ジャンクフードになじみすぎた子供たちの食生活を変えるための食育活動、給食予算増額のために陳情など、子どもたちの血となり骨となる食生活の一部を占める給食を改善する活動を続けてきた彼にとって、今回の課税は支持すべき内容でしょう。