梶井基次郎に花冷えに桜魚。桜の季節に思うこと

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桜の開花が伝えられました。

さて、この季節になると読みたくなるのが、梶井基次郎の短編『桜の樹の下には』。

桜の樹の下には屍体したいが埋まっている!

というはじまりには、いてもたってもいられなくなるほど、心乱されてしまいます。

これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

と続くこの短編。

なんと桜という存在は人の心を虜にさせるのだろう、、、と思わずにいられません。
しかも毎年不思議なのは、示し合わせたかのように隣近所の桜がいっせいに開花すること。
「せーの!」と、花咲かせネットワークみたいなものがあるのだろうか。

そして散り際のタイミングも同じ。
不思議でたまりません。

桜は日本と日本人には特別なものでしょうね。
さて、この季節ならではの言葉も。

1つは花冷え。

桜が咲く頃、陽気が定まらず一時的に寒くなること。また、その寒さ。

と辞典に記されていますが、字面に漂う美しさを感じてしまいます。
冷えといえば女性の敵。ですが、「花」の文字が付くだけで、儚さが醸しだされるよう。
なもんで、わざわざ花冷えという言葉が使いたくて手紙を書いたことがあります(^o^)

もう1つは桜魚。

桜の花が咲くころにとれる魚。ワカサギ、小アユなど。
この言葉はほとんど用いることはありませんが、桜魚は胃袋に入っています。(笑)

最近では、日本気象株式会社がiOS / Androidに対応するアプリ「桜のきもち」をリリースしました。
こちら、全国の桜の名所の開花や満開予想日、桜の生長状態などが分かるのだそうです。
日本だから、こんなアプリが生まれるのでしょうね。

昨年、桜が咲いている頃、ソウルに行きましたが、韓国の方は日本人ほど桜にたいする気持ちは強くないように感じました。
お花見という習慣はあるのかどうか、わからないのですが、桜もソメイヨシノのような華やかで、鑑賞を楽しむタイプではなく、ソウルでは薄ピンクの小さな花をつけた雑木ぽい種が目につきました。

日本人は本当に桜が好き。
桜の元素と同じ構成で人体が作られているのかも、と思うほどに。

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