看取りのプロ育成も。希望があれば看取りまで行う施設は78%

2020年2月10日ライフスタイル

厚生労働省の2016年度の調査によると、特別養護老人ホーム1502施設のうち「希望がれば看取りまで対応」すると回答したのは、78%に上りました。

また、野村総合研究所の調査(2016年度、約5000施設が回答)でも、住宅型有料老人ホームが65.2%、サ高住(サービス付き高齢者住宅)では67%が希望があれば看取りまで対応するという結果に。

常勤医がいない施設や介護師が不在になる場合、介護職員が利用者の看取りに対応するケースが増えています。

2016年9月、私の知り合いが2年間を過ごした特養で亡くなりました。その少し前、介護職員の方から、容態の変化から看取りの期間に入っていることを告げられ、ご家族にも看取った後のこと(葬儀の手配など)についてアドバイスされていました。

死に直面することで「怖い」という気持ちが生まれ、心理的にも負担になることもある看取りについて「怖くないですか?」と不躾ながらもうかがうと「もう何人も看取っているし、看取りのプロですから」とおっしゃいました。

決して仕事だからと割り切っているのではなく、利用者さんの死は悲しいけれど、最期の「送り出し」まで寄り添ってあげるという心を感じました。

きっと、何人もの死に立ち会い、死生観を深めてきていらっしゃるのだな…と。

看取りまで対応する高齢者施設では、看取りの後、職員同士で看取りを振り返り、職員で思いを共有して次の看取りにつなげる取り組みを行っているところも。

慢性的な人材不足の介護業界ですが、看取りのプロの育成にも注力していくことでしょう。

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