記憶がよみがえる香りのプルースト効果。介護にも応用できる!?

2016年2月28日ライフスタイル

誰かとすれちがった時、ある香りが漂い、忘れていた記憶がよみがえった・・・。
そんな経験はありませんか。

以前、私は友人の買い物に付き合い、香水売場で「クリーンウォームコットン」というフレグランスをかいだとき、子どもの頃に出会った酒屋のお兄さんを思い出したことがあります。

故郷に帰ると、挨拶をする程度の方。今までそれほど会話らしい会話をしたことはないなぁ…。
※初恋の相手ではありません。
今は60歳位か?私が子供時分は青年でしたが。

香水売場のクリーンの香りは、若かりし日のお兄さんと、彼が着ていた白いシャツの後ろ姿をくっきりとよみがえらせてくれたのでした。

後で知ったのですが、この「クリーンウォームコットン」は、洗いたての爽やかさとコットンのやさしい肌ざわりをテーマに調合されているフレグランス。
おそらく私は子どもの頃、彼がよく仕事着で着ていた白いシャツに爽やかなイメージをもっていたのでしょうね。

普段、彼を思い出すこともないのですが、匂いは記憶のかたすみから、普段、意識にのぼらないようなことまで取り出してくれるのですね。

香りって不思議!

ある匂いをかぐと、ある記憶がよびさまされる。
これを「プルースト効果」といいます。

フランスのベル・エポックの騎手、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』に登場する主人公が、紅茶にひたしたマドレーヌの匂いをきっかけに、幼少の頃を思い出す描写から、こう名付けられました。

香りの情報は、海馬を通じて大脳新皮質に伝わってストックされます。
匂いをかぐことで、ある特定の記憶をよびおこすのは「嗅細胞から伝わった信号が嗅皮質を経て海馬を活性化させる」ことから起こるといわれています。

「香り」という刺激は、ストックされた大脳皮質の中から情報を引き出す効用があるようです。
(ただし、この分野は全てのメカニズムが解明されているわけではありません)

■香りの可能性を最大限に利用してみる

記憶と直結するのが「香り」「匂い」なら、これを効果的に使ってみたいかも~。
だって、資格取得のための勉強などに役立ちそうではありませんか!(^^)

何かを暗記する時には好きな香りを用意して、それをかぎながら勉強を行う。

本番時にも同じ香りを用意して試験に挑む。
すると暗記物の記憶が鮮明になり、効果が期待できるかも\(^o^)/

もしかしたら、プルースト効果は記憶に問題のある方、認知症の方にも応用できる!?
好きな香り(香水でも、食べものでも、植物でも)をかいでもらうと、その匂いに結びついた思い出を語ってくれるかも。

介護する側は好きな香り、あるいは記憶にまつわる匂いについてリサーチしておくとよいかもしれませんね。