高齢者もスムーズに移動できる武雄市図書館

2016年6月2日旅行

長崎のハウステンボスから佐賀県の武雄温泉駅へ。
1300年もの歴史ある温泉もそうですが、ここでは武雄市図書館に行くことも目的の1つ。
70代の女性が同行者です。

賛否両論あり、いろんな意味で注目を集めている武雄の図書館ですが、今回訪れたのは今後の動向を予測するための調査、なわけはなく、この建築物の空間にじっくり身を置いてみたかったから。

この図書館についていろいろな意見があることはインターネットで検索すると出てくると思うので、ここではふれません。

土曜日午前11時前にこの図書館に着きました。が、パーキングを観察していると、クルマが次々と入ってくるものの停めるスペースがなし。近くにある文化会館の駐車場へと案内されていたようです。

さて「百聞は一見に如かず」の武雄市図書館。

一歩踏み入れると、今まで何度も写真で見た図書館内部の風景が。
想像していた通り、天井が高くて、突き抜ける開放感というの?心身がほどけていく感じ。

スタバでドリンクを作る音や接客の声、人があっちこっち移動するのが混ざり合ったざわめき。それが心地よいのだ。よく言われている「ブックカフェみたい」という表現がなるほど、よくわかる。

本を分類するブックエンド風のラベルも大きな文字でわかりやすく、、、あれ、どこかで見たことがあるぞ。
そーだ、代官山の蔦屋書店だ!と思い出す。

たしか、武雄市長だった方が代官山の蔦屋書店を視察されて、今の図書館を構想され、CCC(カルチャー・コンビニエス・クラブ)に運営を委託されたのでしたよね。

それにしても、ものすごい蔵書!
2階の天井付近まで備え付けられた書架にまで、19万冊以上の本がズラリというより、ギッシリ!
本が秩序よく並んだその光景は圧巻です。

ただ、2階の通路の壁に備え付けられた書架は専用の梯子を使って本を取るのだけど、これを実際やるとなると「落っこちたらどうしよう?」とビビってしまい、ワタシにはちょっと難しいかも。。。
※梯子はそんな心配はまったく無用の設備になっていると思いますが。

高齢者の方のなかにも怖くて梯子にのぼれないという人もいるでしょう。
その時はスタッフの方が手伝ってくださるのでしょうか。

同行した70代の装身具作家の女性は歩く時、杖が手放せません。なので、2階への移動はエレベーターで。1階のエレベーターに乗る前も通路も車イスの使用を配慮されているのでしょう、ゆるやかな勾配がつけられ、ストレスなくスムーズだった様子。

先月、ドイツの展覧会から帰国したばかりの彼女はユーロ圏の素晴らしいアートを沢山見たそうですが、お初の武雄市図書館にやって来て、日本の公立図書館でこんな空間を実現するのってスゴイね、武雄ではここが一番よかったと絶賛。

併設されているスタバではかろうじて確保できてテーブルに座り、周囲を見渡すと、老若男女のみなさんが本を積み重ね、コーヒーとともにじっくり読んでいらっしゃいました。もちろん、見つめ合っているカップルやおしゃべりを楽しんでいる友人同士も。

図書館の本、売っている本もスタバで何かを購入したら、じっくり読めるから、本好きの人にはたまらない場所でしょうね。

image武雄図書館1_R

せっかくなので、来館した記念になるものを。
と思い、記念に図書利用カードを作ってみました。
武雄市図書館では、日本在住の人なら誰でも利用登録できるのです。といっても、私の場合は手持ちのTポイントカードに利用機能を付帯しただけですが。
本を返す時は専用の袋に入れて、宅急便で返却OK。

帰りのタクシーの運転手さんから聞いた話では、武雄市図書館が今の運営スタイルになって以降、週末は県外ナンバーの車が目立つようになったとか。併設されているスタバの売上も一時、日本でベスト10内にランキングされたほどの勢いだったそう。

図書館内部は残念ながら、写真撮影はできませんが、肌身で感じたのは、ここは能動的にお勉強したくなる場所ってこと。
「勉強しなさい!」と言われなくても、ここに来たら集中して何か調べものをしたくなるし、「知りたい」ことをもっと追求したくなる。
そんな気配が立ちこめている場。

武雄に暮らす人は幸せ者だ。
こんなステキな知的好奇心を満たす場所が身近にあるのだもの。

しかし借りて帰るのを悩んだ『西洋異形大全』。ここでじっくりと読みたかったなー。

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