等々力渓谷散策とともに訪れたい野毛大塚古墳

2015年10月18日旅行

以前紹介した等々力渓谷ですが、渓谷散策とともに訪れたいのが野毛大塚古墳。
東京都心部からそれほど離れていない場所に古墳が存在するとはちょっと意外ですね。

この野毛大塚古墳は環状八号線に沿った、玉川野毛公園内にあります。
等々力渓谷からは、渓谷の途中に備えられている階段を上がって行くことになります。

緑の深い渓谷から上がっていくと住宅地が広がり、さっきまでの谷沢川と繁殖した緑のおりなす光景が幽玄の時間であったかのよう。
整備された住宅地をひたすら歩いていくと、たどりつくのが玉川野毛公園。
野球場やプールなども備わっている、大きな公園です。

園内では近くの保育園の園児たちの姿も。みな、遊具を次々ためして遊んだり、顔まで隠れそうな大きな枯れ葉を見つけてはお面にしてみたり。
広い園内では子どもたちの元気で甲高い声が響きわたっていました。

その公園の一画にあるのが、5世紀に造営されたといわれる「野毛大塚古墳」。
こちらは昔、この地域の有力者だった首長のお墓とみられています。

この古墳は「ホタテ貝型前方後円墳」という名前がつけられており、園内の各種遊具やブランコのある辺りから見ると、まるで小山のよう。
出土した土器のレプリカも並べられ、古墳のムードを醸しています。

並べられている土器ですが、レプリカとはいえ、この意匠、これがどんな目的で、どんな人が使っていたのだろう。。。そうと思うと、ロマンを感じてしまいます。
そして、古墳の頂上は広場として整備されています。

image古墳2_R

世田谷区のサイトより引用させていただきます。

東京都指定史跡 野毛大塚古墳

昭和50年2月6日 史跡に種別変更

<所 在> 世田谷区野毛1丁目25番 玉川野毛町公園内
<時 代> 古墳時代中期(約1,600年前))
<交 通> 大井町線等々力駅下車 徒歩10分

野毛大塚古墳は、国分寺崖線上の高台、上野毛から尾山台にかけて広がる野毛古墳群のなかで最大規模の古墳です。
平成元~4年に行われた発掘調査によって、古墳の形は帆立貝形古墳(全長82メートル、後円部直径67メートル、高さ11メートル)で、 同種の古墳としては最大級の規模を誇っています。

また、周囲には馬蹄形(ばていけい)の濠(ほり)がめぐり、これを含めた全長は104メートルになることがわかっています。

なお、古墳の表面は葺石(ふきいし)で覆われ、都内最古の埴輪列が立てられています。

後円部の頂上には遺体を埋葬する施設である主体部(しゅたいぶ)が50年ほどの間に4カ所設けられています。
中央の第1主体部からは関東地方最古の鉄製甲冑(かっちゅう)や石製品など、多種多量の副葬品(ふくそうひん)が出土しています。
(東京都指定有形文化財)

これらの副葬品から、5世紀初めころ(約1,600年前)に造られた古墳と考えられ、畿内王権と深く結びついた南武蔵地域の大首長墓と考えられ、当時の政治・社会の展開を考える上で重要です。

ところで、10月18日(日)は野毛大塚古墳のおまつりが開催されます。
等々力渓谷とセットで訪れるのもよいですね。

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