ヒトの体内でできる、うつを改善する物質。新しい治療の開発に!?

2017年9月1日ニュースと考察

うつ病の治療は脳機能の欠乏を補う薬が使われることが多いです。ヒトの体内でできる物質にうつ病を改善する効果がわかり、新しい治療法の可能性が出てきました。

それは人間の体内でできるβヒドロキシ酪酸(BHB)という物質に、うつ病を改善する効果があるというもの。鳥取大医学部付属病院の岩田正明准教授らの研究グループが発表しました。

(前略)岩田准教授によると、BHBは飢餓時などに肝臓で生成される脳の緊急エネルギー源で、ブドウ糖を補う役割がある。うつ病はストレスなどで脳内の炎症性物質が増え、意欲低下などの症状が起きる。2年半前にはアメリカの研究グループがBHBに炎症抑制作用があることを報告していたが、岩田准教授らは実際にうつ症状の改善につながるかを動物実験で確かめた。

 実験ではBHBを事前に投与したラットと投与していないラット16匹ずつを使用。それぞれに夜間ライトなどで1カ月間の慢性的ストレスを加え、うつ状態の時の行動として水中で停止してしまう「不動時間」を比較した。その結果、BHBを投与したラットの不動時間は平均約30%少なかった。

 また、円筒に1時間入れて急性ストレスを与えた別の実験も実施。BHBを投与した20匹の脳内の炎症性物質は、同様に平均約30%少なかったという。(後略)

【小松原弘人】

毎日新聞 8/22(火) 10:34配信より引用

うつで心療内科や精神科を受診する人は少なくありません。

薬を用いた治療には抗うつ剤や抗不安薬が使われますが、その多くは脳機能に障害が起こることによって欠乏する物質を補充するタイプ。GABAの影響でよく効くものの、減薬や断薬によって起こるかい離(離脱)症状に悩まされるケースも。

経験者はうつの症状と同じくらい、このかい離症状が一番キツイと話します…。BHBによる治療がこの点も軽減できたらと願います。

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