アトピーの予防法と治療法が確立されることに期待!

ニュースと考察

もしかしたら、皆さんのなかにはアトピー性皮膚炎でお悩みの方がいらっしゃるかもしれません。

顔や手足をはじめ、からだ全体が痒く、一年中、痒みと皮膚の赤みに悩まされるアトピーは、確実な予防法や治療法が確立されていません。

という状況にあるなか、朗報です。

先日、理化学研究所より「アトピー性皮膚炎の原因遺伝子を突き止め、ワセリンを塗ると発症を予防できる可能性がある」という研究成果が発表されました。 保湿剤ワセリンを塗布することで効果が期待される研究成果はアトピーの新たな治療法や予防法の確立につながることになりそうです。

2016年4月26日の新聞記事から引用します。

(前略)
 理化学研究所研究嘱託の吉田尚弘医師らのグループが、25日付の米科学誌(電子版)に発表した。
 アトピー性皮膚炎を発症しやすくしたマウスを使い、発症の経過を調べた。生後8~12週で発症。その前から皮膚の角質がはがれやすくなるなど、皮膚を保湿し保護する機能が低下していることがわかった。

 一方で、発症前の生後4週から1日おきに、このマウスで一番最初に症状が出やすい耳の部分にワセリンを塗り続けたところ、保護機能が改善。炎症を起こす細胞が皮膚に集まるのを防ぎ、長期にわたって発症しなかったという。

朝日新聞デジタル2016年4月26日13時02分配信
「アトピー性皮膚炎、ワセリンで発症を予防できる可能性」(竹石涼子)より

以前からアトピーの肌にはワセリンを塗布するのがよいという情報はありましたよね。
アトピーの治療といえば、すぐに思い浮かぶのがステロイド。

ステロイドは皮膚疾患の外用剤に使われていますが、副作用が怖い…という意見から使用を問題視されていました。

このステロイドを敵視する件。
詳しくは知りませんが、これはあるキャスターの方がテレビ番組でステロイドを問題視する発言をしたことで「ステロイドは使わない方がよい」という見解が一人歩きし「脱ステロイド」を推進する傾向となった、という話を聞いたことがあります。

実際には、脱ステロイドで治ったのではなく、カラダが改善されて脱ステロイドとなったのが現状のように思います。
ステロイド剤がアトピーの味方になってくれるという見解をもつ人も多くいらっしゃるのでは。

実は私の従姉妹は長年にわたり、アトピーに悩まされているのですが、ステロイド剤は使いたくないということで、病院で処方されたワセリンとステロイドを混ぜた軟膏剤はずっと使わないままでした。彼女もまたステロイドを敵視していたので…。

本人はいつも痒くて、赤く荒れた肌で人前に出るのをためらっていて。
ほこりが部屋に舞うとアトピーにさわるからと、窓は開けず、カーテンも閉めたままという生活・・・。

ある時、彼女がふともらしたことがあります。

「アトピーは苦しい。痒いし、人の自分を見る目がこわくてたまらない。かきむしって、こんな赤く荒れた肌は皆、口に出しては言わないけど気持ち悪がる・・・。こんなに苦しいなら死んだ方がましだ思って、らくに死ねる方法を何度も考えたことがある」

アトピーはその人のいきがい、ライフスタイルまでも左右する深刻な疾患なんですよね。

からだが痒くて仕方がないというアトピーの方のために、そして疾患のせいで生活を思いきり楽しめないという方のためにも、ワセリンを用いた治療法をはやく世に送り出してほしいものです。

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