特養入居待機者は16万人減。その背景とは?

ニュースと考察

特別養護老人ホーム(特養)への入居待機者は、前回調査した13年10月時点より16万人近く減ったことがわかりました。
その背景にあるのは介護希望者の全体数の減少ではなく、「要介護2以下」の高齢者が原則として入居できなくなったことにあります。

(前略) 特養は全国に約9500カ所あり、約57万人が暮らす。有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅と比べて利用料がおおむね安いため希望者が多く、前回調査で待機者は約52万4千人に上った。そこで15年4月から入居要件を厳格化。認知症や家族による虐待など在宅生活が難しい場合以外、要介護1、2の高齢者は特養に入れないようにした。

 その結果、要介護1、2の人からの申し込みが減り、待機者は約7万1千人。減少した約16万人のうち約11万人を占めた。1人で二つの施設を申し込むと、これまで2人と数えていたのを1人とするなど集計方法を変えた影響もある。

 政府は要介護3以上の特養待機者のうち、在宅の高齢者を20年代初頭までにゼロにする目標を掲げている。前回調査から今回までの2年半の間に定員は約5万人分増えたが、要介護3以上の待機者は約12万3千人いた。

 要介護3以上の待機者が最も多いのは東京都で2万4815人。神奈川県(1万6691人)、兵庫県(1万4983人)、北海道(1万2774人)、大阪府(1万2048人)と続いた。最も少ないのは徳島県で1161人だった。(水戸部六美)

朝日新聞デジタル 3/27(月) 15:50配信より引用

待機者の数は2016年4月時点で約36万6千人だったそう。(厚生労働省の発表より)
特養に人気が集中するのは、月額利用料金の中に家賃をはじめ、食費や水道光熱費などが含まれるなど、比較的安価に利用できる点。

特養に入居するまでの待機期間中は、在宅介護や老健を利用する方もいます。
しかし、介護度が進んだりして在宅介護が難しい場合も多くなっています。
そこて国が増設しているのが、サ高住こと「サービス付き高齢者向け住宅」。2020年までに60万戸が作られる予定です。
特養に代わる高齢者ケアの場として、ニーズのある「サ高住」。入居希望者は特養と人気を二分するでしょうか。

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