2025年の認知症人口は約700万人!? 社会とつながりを持つには

2016年4月5日ニュースと考察

認知症にかかると、人とのコミュニケーションも途絶えがち。
そもそも「認知症」という言葉もまた、本人を不安にさせてしまいます。

しかし、認知症の人を社会と切り離すのではなく、仕事を通して社会とつながりを持てるよう、働きかけている方たちもいらっしゃいます。

 (前略)

– 隔離せずに街へ –
 認知症になると仕事を辞める人が多く、65歳未満で発症した場合の
離職率は8~9割とされる。収入だけでなく、社会との接点も途絶えが
ちだ。この施設は認知症の人に働く場を提供しようと、NPO法人理事長
の前田隆之さん(39)が開設。洗車のほか、青果問屋での野菜の皮む
きなどの仕事があり、前田さんは「認知症の人ができることはたくさん
ある」と話す。

 身近にいる誰かが認知症という時代はすぐそこに迫っている。厚生労
働省によると、2025年には約700万人と推計され、65歳以上の
5人に1人を占める。認知症の人を隔離せず、街の中へ。そういう社会
に変わらなければ、つらい思いをするのは患者ばかりではない。

日本経済新聞2015年1月13日(水)14版より抜粋

地域の人たちが認知症をうけいれることは、症例を理解しているので、フォローも厚くなります。
このような下地が醸成されると、認知症の方も働きやすくなるでしょう。
不安はあるけど「自分を必要としてくれる仲間がいる」ということは自信にも、QOLにもつながります。

前述の「認知症の方たちが出来る仕事は沢山ある」という事実がまた、希望を与えてくれます。

人智学を提唱したルドルフ・シュタイナーの言葉に「運命は出会いまで」というものがあります。
運命はすべて定まっているわけではない、運命の扉が開いた後は、本人、周囲(環境)に委ねられる、ということを意味しているのだと思います。

もし、認知症に「出会った」としたら・・・本人の意志、そして周囲の人たちの考え方や付き合い方、言葉のかけ方などで、運命が変わっていく可能性があるのかもしれません。

2025年まで、あと9年。その頃の日本では「約700万人が認知症発症」とは、なんとも衝撃的。
シニア世代を迎える人たちは予防を心がけて、健康に生きることを日々大切に。
そして、今より認知症対策の医療や社会への参入が整っていることを願います。

関連記事
世田谷区の「認知症おうちカフェ キラリ会」へ。 足こぎ車イス体験も
認知症おうちカフェ キラリ会2 「同じ釜の飯を食う」オナカマ効果