成田に大学医学部を新設。メディカル・ツーリズムに期待

2016年3月15日ニュースと考察

千葉県成田市に大学医学部が新設されることになりました。
医療ツーリズムも期待できそうな動きです。

政府は31日、千葉県成田市に大学の医学部新設を認める方針を決めた。地域限定で規制緩和する国家戦略特区制度を活用する。国際的医療拠点として、海外から優秀な留学生や外国人教員を招き、2017年4月の開学を目指す。
(中略)

新設学部は、〈1〉海外で診療や教育の経験がある教員を確保〈2〉授業の多くを英語で実施〈3〉公衆衛生に関する専門職大学院を設置

併設の大学病院では、成田空港に近い立地をいかし、海外から患者を積極的に受け入れて高度医療を施す「医療ツーリズム」を行うことも想定している。

引用 読売新聞オンライン2015年08月01日 10時05分配信分より
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150731-OYT1T50117.html

成田という空の玄関口を活かし、旅行客を対象にしたメディカル・ツーリズムが活性化させるかもしれませんね。今のところ、日本はまだ積極的な受け入れを示しているわけではないようですから。

今年4月、メディカルツーリズムに関わる、こんな現場に遭遇しました。
ある人と待ち合わせるため、ソウルの金浦空港到着口付近にいた時のことです。

韓国の数えきれないほどの報道陣が到着口で何台ものカメラをセットし、リポーターらしき人たちも集まりはじめ、いかにも「何かありそ〜」なものものしい雰囲気。

韓国スターのスキャンダルかしら?
空気感からして、海外のツアーから帰国しました的な感じや、ましてや熱愛報道ぽくはないし。

などと思っていたら、報道陣のどよめく声(@_@;)

到着口を見ると、どこにでもいらっしゃるような、初老の頃とおぼしき韓国人のご夫妻が!見た感じ、スターとは無縁の方のよう。
お二人は報道陣を避けるように、足早に無言で空港の外で待たせていたタクシーへ。
が、報道陣は容赦なく、雪崩れこむように彼らを取り囲み、マイクを向け、フラッシュを浴びせ続けます。

あんなフツーのご夫妻が何か事件性のあることに関わっているのだろうか?

その夜、ニュースであのご夫妻の夫の方がどなたかを知った。
韓国前政権で秘書室長を務め、賄賂を受け取った疑惑が報道されていた方でした。

金浦空港に姿を現した理由は、疑惑が持たれている最中にも関わらず、彼が突然、韓国を脱出をしたから。
行き先は日本で、彼の奥様が日本の病院で診療を受けるためだったそう。

1泊2日の日本滞在でしたが、お二人にしてみれば、これは短期のメディカル・ツーリズムといえるでしょう。

東南アジアにおいてメディカルツーリズムの発達している国といえばタイですが、それにくらべると日本はそれほど積極的に海外からの医療の受け入れはやっていないようです。

成田にできる大学病院が積極的に受け入れを発信すると、日本でのメディカルツーリズムの拠点となるかもしれません。

国内線・国際線をあわせての利用者数が年間7,000万人を超え、世界でも旅客数がトップ5以内と言われる羽田空港の国際発着路線が増え、羽田にお箱を持って行かれそうな印象の成田空港ですが、実際に空港に足を運ぶと活気が感じられ、まだまだ底力を感じます。

また、成田空港へのアクセスがよく、新勝寺などの古刹があり、日本情緒あふれる参道のある成田の街も海外からの観光客には楽しめるはず。

2020年には東京五輪も開催されるし、インバウンドに注目する人は多くいるばす。
成田で医療ツーリズムが本格化すると、それにともない必要とされるサービスも生まれることも考えられますよね。
成田を拠点とする医療ツーリズムがインバウンドの呼び水となることに期待しましょう。

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