元旦旅行6 水木しげるロードから玉作湯神社へ

2016年5月27日旅行

鳥取県境港の水木しげるロードを後に、向かった先は玉作湯(たまつくりゆ)神社。
この神社が位置するのは、テニスプレイヤー錦織圭選手の出身地として知られる島根県松江市。
県は違えど、境港からクルマで約40分ぐらいの距離です。

玉作湯神社は玉湯町にあり、古くから名湯で知られる玉造温泉街を見下ろす小山に建っています。

初めて知りましたが、温泉は玉で、神社は玉の文字を用いるのですね。

この神社は『出雲国風土記』に記されてもいるほど古く、ご祭神は玉作りの神の櫛明玉命、国造りと温泉療法の神・大国主命、温泉守護の神・ 少彦名命。
境内社にはさまざまな神様が祀られ、個人的にシンパシーを感じる猿田彦様(澤玉神社)も。

江戸時代にはお隣りに松江藩別荘があり、歴代藩主がたびたび逗留され、神社への崇敬も篤かったといいます。

石の階段をのぼって、境内へ足を踏み入れます。
出雲大社の建築様式として知られる「大社造」の本殿は、格式の高い神社然としてなく、古民家の玄関先のような素朴な風情。

参拝した時は人の気配がほとんどなく、私たち6人だけが本殿の前に立っていました。
すると「いらっっしゃい」という声が聞こえたような? ん?
カミサマの前で、気持ちがほっこり~。

お賽銭箱の中に、お賽銭を入れ、新年のご挨拶を。
思いがけず、この神社に初詣に来たこと。これも何かのご縁ですね、などともの言わぬ神に語りかける。

image玉作湯神社本殿_R

本殿には青色の幕がかかり、勾玉の意匠が見られます。
というのも、昔からこの地は勾玉が生産され(だから、玉造の地名なんですね)境内には遺跡があり、勾玉を製造した道具も見つかっています。
出雲地方では弥生時代から勾玉を作り始めたとか。

image玉作湯遺跡_R

この勾玉は鏡、剣、玉の 三種の神器のひとつ。

その形は陰陽(YING YANG)を表しているといわれています。
あとペイズリー柄にも見えるし、おかーさんのお腹の羊水に浸っている胎児のようにも。

民間的には、古くに作られていた勾玉は今でいう「パワーストーン」のようなもので、現在とは違って身に付ける人は限られていて、たとえば古代の権力者だけが所有を許される御守りのようなものだったのではないかと推察します。

さて、この神社は勾玉といい、何かと「石」にご縁があるのでしょうか。
それは「願い石」。本殿の脇にある「願い石」は願いを叶えてくれると評判の様子。
社務所で「叶い石」を求め、この願い石にその石をこすりながら願をかけ、御守りにすると願い事が叶うといわれています。

image願い石_R

女子はこの「願い石」に惹かれるはず。きっと、遠方からの観光客の中には、コインを池に浮かべて婚期を占う八重垣神社とあわせて参拝される方も多いのでは。もちろん出雲大社もですが。

この玉作湯神社は本殿に参拝するには石段の他、脇には参道(坂)もあります。
石段はそれほど段数は多くないと思うのですが、実際に歩くと個人差があり、キツく感じる方もいらっしゃるかもしれません。
坂ははるかに緩やかなので、石段を歩くのがキツイ方は坂の登り降りをオススメします。
70代の母などは行きは石段、帰りは坂道を利用していましたし。

元旦の清新なご神気にこころあらわれた後は、初詣の参拝客にふるまわれていたぜんざいやカニ汁、綿菓子などで一服。
日本のこんな「おもてなし」の風習ってステキ。
なんと、人のこころをあたためてくれるものなのでしょう!

元日から心あたたまる、ありがたき玉作湯神社でした。感謝、感謝。

関連記事
「鬼太郎の生みの親」漫画家・水木しげる先生、永遠なれ!
元旦旅行2鳥取県境港 水木しげるロードで妖怪たちにご対
元旦旅行3 水木しげるロードで妖怪のご利益!妖怪神社へ
元旦旅行4 妖怪に会える!水木しげるロードの広告探訪
元旦旅行5 水木しげるロードはスイーツの宝庫だった