見えない相手にYesと言わせる電話営業のノウハウ1
前回からの続きです。
第2章 心を開かせる電話営業のノウハウ
さて、ここからは成功するための電話営業の具体的なノウハウをお伝えしていきましょう。
1. 自分の声をレコーダーで録音する
声を使う仕事に就いている人は、まず自分の声をよく知ることが大切です。
一度、携帯電話のレコーダー機能やICレコーダーで自分の声を録音してみてください。録音した自分の声にびっくりするはずです。
なぜなら、まるで「別の声」だからです。
自分の声について、周囲の人に聞くのもよいでしょう。
高いのか、低いのか。声の印象は? など。
このように自分の声を客観的に把握した上で、自分のなりたい声を設定して、その声をまねてみましょう。
たとえば、好きな俳優さんの声色などもよいと思います。
2. 上半身を前に傾けて話す
私が電話営業の仕事をはじめた頃、先輩や上司からお客様と話す時の声は「アルト」を心がけるよう、アドバイスされたものです。
アルトとはイタリア語で、声楽の女声では最も低い声域となります。
女性の低い声域は
「落ち着いている」
「信頼感がある」
「安定感がある」
という印象を持たれることが多いようです。
このアルトの声域を出すコツがあります。
それは上半身を前に傾けることです。実際に試してみてください。
前傾することで、おなかに力が入り、声に安定感が増すような気がしませんか。
反対にのけぞって喋ってみてください。
声が浮わついた感じになりませんか。これでは受話器の向こうの相手からも「いい加減な人だな」と思われかねません。
3. 口角を上げて話す
普段から笑顔でいると、何かとトクすることが多いようです。
実は笑顔は、成功する電話営業の重要なポイントです。
電話の向こうの見えない相手だから、自分の顔の表情なんか関係ないだろう……そう思っていると、残念ながらこの業界では成功できないでしょう。
見えない相手だからこそ、気を抜かない。
これが重要なのです。
実は、声の高さのコントロールは簡単にできます。
女性が地声より高くしたい場合、一番簡単な方法は、笑顔でしゃべることです。
実験をしてみましょう。
無表情のまま「こんにちは」と言ってみてください。
次に、口角を上げて「こんにちは」と言ってみてください。
どうですか? 声のトーンが高くなったがわかりませんか。
口角を上げると自然に「こんにちは~」と、言葉そのものも明るいものとなります。
笑顔でいる時、人は口角が上がっている表情をしているものです。口角を上げると声帯にハリが生まれるので、自然に声のトーンが高くなるのです。
4. 机に鏡を置く
3では、口角を上げるお話しをしました。この口角アップを自然に身に着ける方法として、鏡を用いる方法があります。
用意するものは、卓上タイプの鏡1つです。
これを自分が電話をかけるデスクの上に置くだけです。
実際、自分が電話をかけている間、意識してその鏡を見て、自分の表情をチェックするのです。
無表情な自分に気づくと、意識的に口角を上げてみてください。
すると笑顔になりますよね。
そして、そのままキープして、喋り続けるのです。
この鏡を用いて表情をチェックする方法は、ある意味、筋トレです。
自然に口角を上げて喋る表情が身に付くまで、ひたすら鏡の中の自分を見つづけてくださいね。
気がつくと、普段からにこやかな表情になり、仕事以外のシーンでも役立つことが多くなるはずです。
5. 欠点を指摘してもらう
初めて、お客様に電話をかけた時のことです。
私の電話内容を横で聞いていた上司から「早口だね」と指摘されたのです。
それまで、自分が早口で話すタイプだとは思ってもいなかったので、その言葉は晴天の霹靂でした。
自分では意識しなかったけれど、もしかしたら仕事の場を離れたら、より早口でまくしたてて喋っているかも……と、恥ずかしくなりました。
けれど、その指摘は後に役立ちました。
「自分は早口である」という話し方のクセがわかり、それから電話をかける際は、ゆっくりと話すように心がけられるようになったからです。
近年、「ほめ育て」という言葉をよく聞きます。
ほめて育てると、とても大きな効果を生むことがあります。
私自身、ほめられることも、人をほめてあげることも大好きです。
ほめる時は客観的に見て、その人の良い点を集中的に、を心がけています。
電話をツールとして使う仕事では、より客観的に自分の声を知る必要があります。
自分の声は自分では分析できないものなので、他人からの愛のある指摘が一番だと思っています。
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