2015年の酉の市。「三の酉」の年にはあることに注意!
昨日も紹介した酉の市についての続きです。
2015年は三の酉まである年(11月29日)。は、あることに注意しなければならないと、言い伝えられています。
それは火事。
火事が多いといわれる理由は「酉(トリ)が天変地異を知らせるといわれ、それが3回も巡ってくる」とか、「三の酉のある11月下旬は季節柄、火を使うことが多くなる」など。
ズバリとこれが理由というものはありませんが「三の酉には火事に注意」は定説となっています。
また、吉原遊郭と女性の心情が関わっている説もあります。
吉原の近くにある下谷の長国寺、千住の勝専寺も酉の市が行われていました。
下谷の長国寺から独立した大鷲神社は、吉原遊廓のすぐそばにあり、酉の市になると吉原の縁起にちなんだオカメの熊手が売られるようになりました。
酉の日になると、吉原も大門も四方を開けるようになりました。
「三の酉には火事が多い」説は、このことに端を発します。
というのも、男性は酉の市の帰りに普段敷居が高くで入れない、吉原へ手軽に寄ることができたからです。
しかし、家で夫を待つ女性は、そのようなことを月に3度もされてはたまったものではありません。
夫を家に引き戻すため、三の酉のある年は「火事が多い」とか「吉原に異変がある」という噂を立て、遊郭に足を運ぶ男性を引き止めようとしたのだろうと言われています。
ああ、女の心情が三の酉=火事が多いという説を生んだわけですね。
三の酉といえば、小説家・久保田万太郎の作品に『三の酉』という短編作品があります。
男女のやりとりで構成されているこの作品のなかで、女性は「初酉(一の酉)はにぎやかすぎてイヤ、三の酉の昼間」にお参りしたいと男性にいいますが、ふたりは結局、一緒に三の酉に参詣することは叶いません。
おとなの男女のちょっと甘酸っぱい空気が漂う読後感。
酉の市の季節になると、読みたくなる作品だったりします。