ラグジュアリーとは居心地がよくなることbyココ・シャネル

2016年2月19日ライフスタイル

先日、Pepper君に遭遇した蔦屋家電のある場所でこんなステキな言葉を見つけました。

Luxury must be comfortable, otherwise it is not luxury.
Coco Chanel

ラグジュアリー(贅沢)とは居心地がよくなること。そうでないと、贅沢ではないわ。
ココ・シャネル

有名ブランドCHANELを生んだココ・シャネルの言葉です。
彼女が残した言葉は女性を解放したファッションとともに「名言」と称されることが多いですよね。

さて、ラグジュアリーなものはたいてい高価です。
「ラグジュアリーなもの=高価=良いもの」というルールを持っている人もいるでしょう。

社会心理学の名著『影響力の武器: なぜ、人は動かされるのか』(ロバート・B・チャルディーニ)の第一章には、こんな興味深い話が紹介されています。

アリゾナにあるインディアン・ジュエリーのオーナーがなかなか売れないトルコ石をとうとう半額で売ることに決めました。
そこで、オーナーは買い付け旅行に出る前に、お店のスタッフにトルコ石をはじめとするケースに並ぶ宝石類(見ているだけで腹立たしい!)の値段を「全部1/2(半額)にして」とメモを渡しておいたのです。

そして帰ってみると・・・そのケースに陳列されていた宝石はすべて売り切れていました。
まあ半額になったのだから買いますわね~。これはとくに驚く話ではありません。

しかし、メモには「1/2にして」とお願いしていたのに、お店の人はナント数字を読み間違えて「2倍」にして売ったというのです。
全品ソールドアウト!
これにはオーナーも\(◎o◎)/ビックリ!

『影響力の武器』の著者チャルディーニ博士はこの現象について、次のように解説します。

「(お店を訪れた)彼らは「払った額に見合うものが手に入るものだ」というルールを聞かされて育った外たちであり、それまでの人生のなかで、のルールがあてはまることを何度も何度も見てきたのです。そうしているうちに彼らはこのルールを「高価なもの=良いもの」という意味に置き換えて使うようになったのでしょう」

それほどトルコ石に詳しくなくても、彼らは昔から取り入れているルールをこのインディアンジュエリーのお店でのお買い物に採用したわけですね。

チャルディーニ博士はこれを「簡便法」とよびます。

トルコ石の価値や品質、いわれ、産地、投資につながるかどうか?など、これから購入しようとしているモノの知識が何もない消費者は「有利」な買い物をしたいと願っています。
彼らのルール「高価なもの=良いもの」の基準は価格にあります。
つまり、価格がわかれば必要なこと(知識や購入することの有利さ)を知ることができると考えるわけです。

ラグジュアリーなもの=高価=良いものというルールを持つ人がハイブランドの愛好者であれば、そこで販売されている製品にこのルールがぴったり当てはまります。

また、誰もが知っているブランドという背景があり、消費者が製品の価値や品質がただしく評価ができない場合は、高い価格に設定した方が商品価値が高まります。

ブランドの製品はたいてい「使ってよい」からファンがつくわけで。
使って続けているうちに「ラグジュアリーなもの=高価=居心地がよくなること」というルールも浸透していることでしょう。

『影響力の武器』で、チャルディーニ博士は人がどのようにして影響を受けているか(説得をされているか)そのメカニズムを解明しています。
人が動くときに働く「6つの原則」が興味深いです。

ちなみに、冒頭のココ・シャネルの言葉に出合ったのは蔦屋家電の女性のお化粧室でございました(^_^;)
センスに脱帽。