花と本を贈りあう、4月23日の「サン・ジョルディの日」
日本でも本を送る日として知られている4月23日の「サン・ジョルディの日」。
これは、スペイン・カタルーニャ地方で古くから伝わる本と花の祭典です。
4月23日には女性からは男性に本を、男性からは女性にバラを贈るという、インテリジェンスがそこはかとただよう行事なのですね。
なお、この日はスペイン人作家セルヴァンテス、そしてシェイクスピアの命日ということもあり、ユネスコの「世界本の日」にも制定されています。
さて、サン・ジョルディとはなんぞや?
それはスペイン・カタルーニャの守護聖人として親しまれている、騎士サン・ジョルディのこと。
悪獣のいけにえに差し出された王女を救ったのが、このサン・ジョルディ。
「愛の守護聖人」となった彼が殉教したのが、4月23日なのです。
昔、サン・ジョルディの日を迎える前のバルセロナに滞在したことがあります。
街の大通りにはサン・ジョルデイの日を告げるフラッグが掲げられ、街中にもポスターがはられ、そのムードはバレンタインデーさながらの「愛の日」。
写真はGran Via de les Corts Catalanesの脇に掲げられた、サンジョルディの日のフラッグ。
実はバルセロナが属するカタルーニャで、この「サン・ジョルディの日」が堂々と祝えるようになったのは1977年。
カタルーニャが自治権を獲得してからのことだとか。
今ではスペイン語とは別に、カタルーニャ語の学習が義務付けられているこの地方は、フランコ独裁時代に公用語としてカタルーニャ語を使うことが禁止されていた時代があり、悲しくも「サン・ジョルディの日」もカレンダーから消されていたのだそう。
この時代、実は密かに使うのを禁止されていたカタルーニャ語の本を贈りあっていた人もいたそう。
こうした弾圧の歴史があるからでしょう。
独立意識が強いカタルーニャの州都バルセロナに行くと、黄色と赤のストライブのカタルーニャの旗をバルコニーに掲げているお宅が目に飛び込んできます。
ちなみにサン・ジョルディとはカタルーニャ語の呼び名です。
英語読みでは「セント・ジョージ」。
なるほど。TOTOの楽曲『St.George and the dragon』のSt.George とはサン・ジョルデイのことだと知った次第。
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