質問の仕方しだいでアノ人との関係がガラリと変わる

ライフスタイル

最近、雑談に関する本が人気のようです。
普段、何気なく話していること(雑談)が実は人間関係を円滑にするということで、改めて会話の技術が注目されています。

突然ではありますが、あなたの会話はテニス型でしょうか、それともゴルフ型でしょうか。

テニス型は目の前の相手と、お互いにに打ち返しながら話すことができる。
ゴルフ型はテニス型のようにお互いに打ち返すことなく、それぞれが同じ穴に向かって話していく。

これはニコラス・ブースマン著『90秒で好かれる技術』の中で書かれていたものです。

彼はこの本の中でCNNによる世論調査「あなたはビジネス会話にどの程度、自信がありますか?」(3537人に調査)を例にあげています。

結果は
ドアノブに手をかけたままいくらでも話が続けられる  30%
うまく会話ができる場合もあるが、ほとんど運しだい 48%
いつも会話には苦労している。           22%

7割の人は会話がそれほど得意ではないことがわかります。

つまり、会話をお互いに打ち返しながら進めるテニス型より、ゴルフ型の方が多いというわけですね。

■相手の感情に訴えかけ、引き出すオープンクエスチョン

会話術でよく紹介されるのが、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン。

「~について、どう思いますか?」「~のニュースをどう感じますか?」など、答えがいろいろと出てくるだろう、質問の仕方をオープンクエスチョンといいます。

一方、「昨日、~しましたよね?」など、相手が「はい」か「いいえ」で答えられる質問や、「AかBはどちらが好き?」など、答えを選択させるが質問の仕方がクローズドクエスチョン。

話題を広げたいときや相手の気持ちを引き出したい時は、オープンクエスチョンが効果があります。相手にオープンクエスチョンを投げかけると、返ってくる答えは情動をともない、共感できることも増えるでしょう。

個人的に、このオープンクエスチョンを投げかけるのがうまい職業はフォトグラファーのような気がします。
彼、彼女らは初めて会う人(被写体)とまずコミュニケーションをとることからスタート。
初対面の時にはオープンクエスチョンを投げかけて、緊張感のカタマリをじょじょに丁寧に砕き、やさしくとかしていくスキルにたけています。

個人的な見解ですが、雑談に関する本も現場で百戦錬磨のフォトグラファーが書けば、リアルな話や技術がわかり、面白いのでは?

こう書くと、オープンクエスチョンの反対にあるクローズドクエスチョンはビジネスには不向き?という印象。
けれど、クローズドクエスチョンは時と場合によって、論理に訴えることが出来ます。

作家の塩野七生さんが、ある著名な外国人映画監督にインタビューした時のこと。
その男性の監督は気難しいことで知られ、インタビュー嫌いときている。
そんな相手に、限られた取材時間でインタビューをするという重責ある仕事。

そこで、塩野さんは時間を有効に使うため、相手に「はい」「いいえ」で答えてもらえる質問をすることを思いついたそうです。
その結果、インタビューは成功!

このエピソードは彼女のエッセイで読みましたが、当時はクローズドクエスチョンという言葉を知りませんでした。

こんなふうに、気難しい相手に質問する時はアタマ(記憶)に訴えかける、クローズドクエスチョンを投げかけることで、会話を進めていく方法もあるのですね。

また、判断能力などが低下している認知症の方にはクローズドクエスチョンが有効。
ポイントは「答えやすい質問」を繰り返すこと。
こうすることで、会話をすすめていくことができるでしょう。