朝食の麺について。ベトナムのフォーは朝、食べるものだった

食べもの

私の周囲の話ですが、一時期、朝ごはんを抜くダイエットが流行っていました。が、最近は「ちゃんと朝食をとる」派にチェンジする(戻る)人が増えたようです。
なかには、朝食にヌードルを食べる人もいます。

朝、麺類を食べる人は意外と多く、私が勤めていた時の上司は毎日出勤前に、JR駅構内でおそばを食べるのを習慣にしていました。おそばを食べるアクションは「仕事の幕開け」とよく言ってましたね(^o^)

さて、日本はそば、うどんという両横綱のほか、外来の麺も多く食べられています。

日本人の口に合うこともあり、ベトナム料理を好む人は多く、ベトナムの代表的な麺「フォー」も日本でも人気ですね。
先日、タイ料理店で隣りのテーブルの方がメニューにある写真をさして「フォーください」なんて言ってました。
そのぐらい、フォー=アジアの麺って浸透しているのですねw

私が初めて、本場のフォーを食べたのは、ベトナム・ホーチミンにて。
たくさんの人が麺らしきものをすすっているのを遠目に見つけ、近づいてみると、それが日本でもおなじみのフォーであることがわかり。
ちょうど小腹もすいていたので、入ってみることにしました。

オーダーしたのは鶏肉のフォー。

注文するや目の前に、ゴーカイに盛られた香草のお皿がドンッ!

ミントにホーリーバジルの大盛りなんて、日本では考えられない光景。
しかも、おかわりOK。
なんと豊かなのでしょう。

初めていただいく本場のフォーは香草たっぷりで、湯気と香味が混じり合うと瞬時にっ顔の毛穴、ついでに胃袋もパカーンと開き、食べ進むごとに、うなるうなる。

人は本当に美味しいものをいただいた時は「超オイシイ!」なんて発しないものだと感じたのはこの時。

ただ、「うなる」のですね。

動物のように、うなる(・・)
ニンゲンは、ものを胃袋に入れる時「野生」にかえっているのでしょうか。

その後も、ベトナムに行くたびにいろいろな場所でフォーを試しました。

友人と2人旅をした時も、ホテルの朝食を食べることなく、ビュッフェが好評のマジェスティックホテルへ行き、フォーを試しました。

このホテルのブレークファスト(日本ではモーニングというが、あえてブレークファストなどと小洒落た表現をしたくなるw)はビュッフェになっていて、フォーは専任のコックさんが作ってくれます。

しかし、マジェスティックの高層階にあるビュッフェで目を奪われたのはチーズとフルーツの数々。
これらをたくさん食したせいで、ミッションのはずのフォーをオーダした時はすでに満腹状態。

感想は岸朝子さま風に「大変美味しゅうございました」。

お味も見た目もボリュームもお上品で、洗練されていて、言うことなし。
ただ、フォーを注文した時点ですでに満腹だったため、香草をたっぷりのせて食べるという、ベトナムならではの食べ方が出来なかったのですね。それが残念。

ところで。
この時一緒に旅した友人と今でも「あのフォーは一番美味しかったね~」と話す伝説のフォーがあります。

それは、レタントン通りにある小さなフォーの屋台。
厳密には屋台ではないけど、空の下でフォーを作り、食べるので、屋台風のお店といったところか。

朝、友人と散歩している時に見つけたその小さな店では、あふれんばかりの人がいっせいにどんぶりに顔をつっこむようにして麺を食べていて、その姿にピンッ!ときた。

友人もそうであった。

そして、2人して身振り手振りで注文し、通学、通勤前とおぼしき6 人ぐらいのベトナム人たちと1つの簡易テーブルに座り、麺を待った。
私たちの横では箸で麺をすくいあげる人、トッピングのお肉をつつく人さまざま。
その姿がまた、麺を待ちどおしくさせた。

運ばれてきた麺のスープをひと口すすった。
なんと滋味深いお味。
友人と顔を見合わせ「おいし~」と言い合った後は、無言でひたすら、どんぶりに顔をつっこんでいた。

絶妙なお味の麺とスープをたいらげ、ふと思った。

ベトナムの美味しいものは路上にあるのだな。

あの路上のフォーを超えるフォーには、今だ出合っていません。