自然の声に耳をすましたくなる絵本『かあさんのふしぎよほう』
先日、大切な友人が送ってくれた絵本が、こちらの『かあさんのふしぎよほう』(写真)。
著者は望月あさひさん、絵をほりこずえさんが担当されています。
この絵本、カエルの親子のやりとりでつづられた、心温まる作品です。
子カエルは、自然界のうつりかわりなど、何でも知っている母カエルを「神さまなの?」と尋ねます。
母カエルは子カエルにおしえます。
自分が神さまなら、あなたも神さま。
読んでいて、母カエルが子カエルに向ける、やさしいまなざしが想像できます。
そのまなざしが注がれるところにいさえすれば、陽だまりでグーンと手足を伸ばしていられるように、何も心配することはなかった。
子どもにとって、お母さんは神さまなんですよね。
この絵本はストーリーの世界観に寄り添うような、繊細なタッチで描かれた美しい絵も楽しめます。
文と絵がお互いを高め合う。シナジーを感じます。
ここのところ、自然界の声に耳をすますことを忘れていたかも。
しじみ蝶を最近見かけないのは、秋だからか。
種がほぼ落ち、朽ちたひまわりの顔は遅い秋のさよならの合図。
窓の外から、葉っぱのこすれる音が聞こえるようになったのは柿がそろそろ収穫できますよ、という声。
あらためて、わたしとわたしを取り囲むモノたちのことをじっくり見つめてみよう、感じてみよう。
この作品は、陽の光をたっぷりあてた後の布団に顔をうずめた時の、あの幸せで、それが永遠に続くと信じていた子どもの頃のことも想い起こさせてくれます。
絵本を贈ってくださった、感性豊かなゆきさん、いつもありがとう!