注目のベトナムへ。「陸のハロン湾」こと奇岩と静寂のタムコック

2016年6月17日旅行

介護や高齢社会などを軸にした記事を掲載している本サイトですが、「ベトナム ダナン」とか「ダナン Pheva」などで検索して来てくださる方もいらっしゃいます。

今年に入り、全日空ホールディングスがベトナム航空に出資することで基本合意した(ANAはベトナム航空株の約8.8%を2兆4310億ドン<約130億円>で取得し、アジアでの業務提携を展開)という報道もあったせいでしょうか。ベトナムを注目の旅先としてとらえている方が多いのかもしれません。

さて、個人的にはANAがベトナム航空に出資することについて大変驚きました。

なぜなら、ANAは「スターアライアンス」、ベトナムは「スカイチーム」と、2社とも加盟しているアライアンスが違うし、ましてやベトナム航空はJAL(同じスカイチーム)とコードシェア便を運航しているし。

今回の合意には、きっと諸事情あってのことでしょう。
すでにアライアンスの垣根を超えて、提携を結ぶ時代になっているのかもしれませんね。

せっかくなので、今日はあまり知られていないベトナム北部の観光スポットを紹介しましょう。
それは「陸のハロン湾」ことタムコック(Tam Coc)。

タムコック2_R

ベトナム北部の首都ハノイを訪れた時のこと(2011年)。
海上の奇岩が絶景を作り出すハロン湾の観光にも惹かれましたが、旅する直前に「陸のハロン湾」なる場所があることを知りました。

なんとなく海より「陸だな」。
ハノイに着いた時点でタムコック行きを決定し、宿泊したホテルでタムコックへの日帰りツアーを申し込んだのです。

タムコックはハノイの南、ニンビン付近にあります。
ハノイからクルマで2時間程度の距離。

ハノイを訪れたのはちょうど台風の時期。
雨のせいで滞在中、ホアンキエム湖の水がカサを増し、街中に流れだす騒ぎもあったのですが、ツアー当日は運良く晴れて、早朝、マイクロバスに乗り込んでタムコックへ。

タムコックの前に訪れた古都ホアルーではツアーで一緒になった人たち(欧米人、タイ人)とはなぜか皆示し合わせたように「ノイラー」という藁でできた三角型の帽子を買い、これを被って観光船に乗り込むことに。

観光船とはいえ、4人乗りの小舟。
後に船頭さんの素晴らしいオールさばきを体験することになるのですが、そのような予備知識はないまま、ツアーで一緒になった人と2人で川で待機している舟へ。
そっとココロして乗らないと傾いてしまいそう。。。

船がおだやかな水面をたたえた川に舟がすべりだす。
視界に入ってくるのは水中で農作業する人や川沿いにたたずむ牛、そして女性たちが舟で運ぶライムグリーン色の稲の束。

タムコック_R

耳に入ってくるのは、虫、鳥のさえずり、オールにたたかれる水の音。
静寂の中に響きわたる。

そんな自然の音に何年、耳を傾けていなかっただろう。
(などと、しんみりする)

舟から見える光景は現地の人にとっては普段の営み。
が、つい何日か前までPCをにらみ、あーだこーだーと考えて労働しながら、コンビニのパンなどとりあえずの簡易的な食べものでオナカを埋めて1日を過ごしていた者にとっては真逆の世界。

舟が進むにつれ、心の紐がゆるやかにほどけていきました。
世界に桃源郷があるとしたら、ここはその1つではないかと。

そして水中の田んぼの後ろに続くのは奇岩群。
それはアイスクリーム「ピノ」のように思えるし、お椀をひっくり返したようにも思えるし。
どうすればこんなカタチになるの?と不思議に思える断崖絶壁の岩岩にはさまれた浅瀬の川が続いている風景。

それらは風光明媚というコトバで片付けてはもったいないぐらい。
心がふるえます。

しかし、目の前に恐竜の尖った骨板を逆さにしたような洞穴の入り口が「オイデオイデ」をしてきた時は・・・
ああ、岩にぶつかるのではないかっっっ!?

タムコック旅

しかし、ここは船頭さんの見事なオール捌きがものをいう!
高さのある洞穴を巧みに選び、薄闇につつまれた中にいともカンタンに進んでいくのです。

そのなかは、暗がりの別世界。
声が反響し、黒い水面、視界はあずき色に覆われ、それがなんとも幽玄。
天井からポタッと冷たい水が落ちてくるわで、まるで「納涼大会」。
しかも、時には頭上や船幅のすれすれまで、洞穴の天井が迫ってくるっ。
それはそれはスリル満点なのです。

ぜひ、ハノイから足を伸ばせる時間があるなら、タムコックの田んぼと奇岩と洞穴の間をすり抜ける船旅に出かけてみてください。
安息とスリルの両方が楽しめます。

2014年にはタムコックの入り口でもあるニンビンが、世界遺産「チャンアンの景観複合体」として登録されました。
チャンアンもまたタムコック同様に川下りが楽しめるスポット。
とくに洞穴の迫力はタムコックにはないもの。

ハノイから出ているタムコックの日帰りツアーですが、日本語で案内するツアーもあります。
けれど、日本語ガイドが付くツアーの数は多くないと思うので、早めにホテルかハノイのツアー運営会社に問い合わせてみてください。
午前8時ぐらいに出発して、夕方にはハノイへ帰って来れます。
たいてい古都ホアルーの観光とタムコックの川下りがセットで、ランチ(私の参加したツアーではレストランのバイキング)も付いています。

1人で個人手配すると交通費や乗船料などツアー代金よりかかってしまうそうなので、1人旅の方にはツアーをおすすめ。最近は30USドル~が相場のようです。(2016年4月現在、英語ガイドの場合)
数人のグループだとクルマをチャーターできるので、タムコックや古都ホアルーの他、チャンアンやニンビンなども立ち寄ることもでき、オリジナルの旅程が組めます。

再び、タムコックへ行きたくなりました。
あの桃源郷の安息と洞穴に入る間際のスリルが恋しくて。

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