パーキンソン病の進行を抑えることに成功。新しい治療法が登場か

2016年4月6日ニュースと考察

手足の震え、筋肉のこわばり、歩きづらくなるといった症状があらわれ、寝たきりになる人もいるパーキンソン病。
その進行を抑え、新しい治療法が開発につながる研究成果が発表されました。

 神経細胞の減少を防ぐたんぱく質を使って、パーキンソン病の進行を抑えることに成功したと、大阪大の望月秀樹教授(神経内科学)らの研究チームが発表した。

 (中略)

 チームは、神経細胞の減少を防ぐことで知られるたんぱく質「ネクジン」が、ミトコンドリアの働きを促進することを発見した。パーキンソン病を発症させたマウスの脳にネクジンの遺伝子を導入する実験を実施したところ、約90%の神経細胞が生き残り、症状の進行を抑制。一方、導入しない場合、30~40%しか生き残らず、症状が進行したと推定した。

 パーキンソン病の患者数は国内で約14万人とされ、ドーパミンを補う薬物治療があるが、進行を抑えることはできない。望月教授らは「数年内に臨床研究を目指す」としている。

 ヨミドクター2016年3月31日配信分より

パーキンソン病とはイギリス人の医師ジェームズ・パーキンソンの名前に由来する病名で、彼は1817年にこの病気を初めて報告しました。

初期のパーキンソニズムの症状としては、主に「ふるえ」「固縮」「無動」「姿勢障害」の4つが見られます。
なかでも「ふるえ」は「静止時振戦(せいしじしんせん)」といわれる特徴的な症状で、本人がじっとしている時でも手や足がふるえます。

この 4つの症状以外にも、便秘や排尿の障害、立ちくらみ、発汗などの自律神経症状や気持ちが落ち込みやすくなったり、うつの症状も。

現在、パーキンソン病の主な治療薬として「L-ドパ」や「ドパミン受容体刺激薬」「抗コリン薬」「ドパミン放出促進薬」「ノルアドレナリン補充薬」などがあげられますが、進行を抑制するものではないようです。

今回の進行を抑えることに成功した研究成果は、回復の効果が期待できる治療薬の開発につながりそうですね。

アメリカでは老化防止の薬の臨床試験も今年行われるし(もうスタートしているかも?)少し前だったら絶対に無理、不可能といわれていたことが可能に近づいている・・・。臨床を経て、パーキンソン病の進行抑制可能な治療法が世の中に登場することを期待したいですね。

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