車窓から見る多島美。JR呉線・瀬戸内マリンビュー
車窓から瀬戸内の多島美を楽しみたいなら、JR呉線の広駅と三原駅を走る瀬戸内マリンビューに。(と書いたものの、車窓から映した島の写真が1枚もない・・・汗)
ブルーと白。マリンカラーの車体のお顔にはオールとブイが飾られています。
この海沿いの町をカタコト走る観光列車はレールが海であり、陸をクルージングしているかのよう。
この観光電車は指定席1両(座席定員35人)と自由席1両(座席定員56名)のこじんまりとした編成。
もし、おだやかな瀬戸内海の風景を眺め、のんびりと旅したいなら、ぜひこのマリンビューが走っている時間帯をあえてねらっていくのはいかがでしょう。
「日本のエーゲ海」とも言われる瀬戸内海には水平線はどにも見えない。
そのかわりに、自然を生んだ神さまが緑色の絵の具を筆につけて落としたていったかのような、ぽこぽこと浮かんだ島が見える。
車内にもブイとオールが。
ノスタルジックなムードを醸し出す空間。
瀬戸内マリンビューにゆられていると、車内で経験した、もうはるか昔のいろいろなことが思い出されてきた。
まだ幼い頃、車内では売り子さんによってアイスクリームが売られていて。それは木の匙が表面に立たないほどカチコチで。けれど、普段食べるアイスとは何かがちがって、格別に美味しく感じたこと。
忘れられない人もいる。
高校生の時、夜遅く電車に乗っていた時、 目の前にオジサンが座ってきた。ちょっとヤサ男風の人で、なぜか言葉を交わすようになり、自分は刺青の彫師をやっている、と告げられた。
「この世界にゃジンクスがある。腕に愛する人の名前を彫ったらいけんのよ。絶対、別れるけん…」
後にわかったのはそのジンクスは本当らしいってこと。
ジョニー・デップにアンジェリーナ・ジョリーにハイディ・クルムに・・・皆、腕に恋人の名前のタトゥーを入れ、揃って離婚している。このジンクスは洋の東西を問わないらしい。
あのオジサンは今、どうしているだろう。
車窓から風景を眺める時間は、かつての自分への旅でもある。
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