元監獄。アーティストに親しまれたアムステルダムの「ロイドホテル」
今日はロイドホテル(Lloyd hotel & Cultural Embassy,オランダ・アムステルダム)について。(友人から聞いた話の備忘録)
昔、装身具作家の友人(日本人)からオランダ・アムステルダムに住んでいるドイツ人アーティストカップルがユニークなところに住んでいると、写真を見せてもらったことがある。
なんと昔、監獄として使われたこともある建物だという。
たしかに壁は監獄の檻を連想させるし、いわれてみれば何らかの収容施設とか寮のような内装ぽかった。
当時、そのビルはアーティストのスタジオやギャラリー専用で、居住は禁止されていたけれど、そのカップルは内緒でそこに住んでいたらしい。
その後、再開発にともなうビルの改装につき、彼らは立ち退くよう言われていたものの、最後の最後まで出て行かない!と居座っている・・・という内容の話をきいた。
それからずいぶん時間がたち、その元監獄にしてアーティストのスタジオだった建物がホテルとして開業したことを知った。
それがロイドホテル(LLOYD HOTEL & CULTURELE AMBASSADE)。
今やアムステルダムの新名所というか名物ホテルとなっているそう。
(上の写真はサイトのキャプチャ)
件の友人からこのホテルは数奇な運命をもちあわて面白い建物だから、アムスに行ったら遊びに行くといいよと言われているので、機会があれば宿泊してみたいかも~。
なもんで、このホテルについてちょっと調べてみた。
今からさかのぼること約95年前の1921年、オランダの「ロイド」船舶という会社によって、主に東ヨーロッパから南アメリカを目指す移民の検疫施設を兼ねた施設として開業された。
そして、第二次世界大戦中のドイツ占領下ではユダヤ人収容施設として、その後も少年院としても使われたそう。
やがて、前述したようにアーティストのスタジオやギャラリーとして使われた後、今のラグジュアリーなデザインホテルとして開業し、アムスの新名所になったというわけだ。
再開発前を知る友人は、前述したアーティストカップルの元を何度も訪ねており「まさかこんなに立派でオシャレなホテルになるとは・・・」とふりかえる。
当時、ギャラリーやスタジオが入居する「アートビル」だった頃の建物は水回り含め、あまり衛生的とはいえなかったらしい。
このビルがリノベートされたのは、近くのアムステルダム港付近(東部湾岸エリア)が再開発されることになり、再開発の対象になったことから。
建物の外観はほぼそのままに、リノベーションを手がけたのは今をときめき続けるオランダはロッテルダムが本拠の建築家集団「MVRDV」。
そして元監獄だった建物は彼らの手により、COOLなデザインホテルに生まれ変わったというわけです。
このMVRDVは東京・表参道のGYREビルの設計も担当しているのですよね。
また、この建築家集団は「オクラホマ」というニックネーム!?の高齢者の集合住宅も手がけているんですよね。
アムステルダムにあるこの住宅もまた、大変ユニークな建築なのです。
ロイドホテルのHPはこちら
関連エントリー
高齢社会に読みたい児童書『ミルクマンという名の馬』
陸のハロン湾。ハノイ近郊のタムコックでボートトリップ(動画)
ミラノ、パリ。ステキなシニア女性が登場するスタイルブック