精神疾患を発症した労災請求が1500人超え。過去最多

ニュースと考察

厚生労働省より、2015年度の労災状況が公表されました。
うつ病などの精神疾患を発症した労働災害の請求者は1515人で、初めて1500人を超えた数を記録。

これは前年度にくらべて59人多く、うち472人が労災認定されました。
脳・心疾患などの労災申請も、前年度から増加しています。

パワーハラスメント、長時間労働、職場の人間関係…
精神疾患を患う要因はいろいろですが、働く環境の改善、他人への(自分への)配慮など、見直す点が多くあるように思います。

(前略)
精神疾患の請求のうち、自殺(未遂を含む)が199人(同14人減)で、過去2番目に多い93人(同6人減)が認定された。請求が多い業種は「社会保険・社会福祉・介護」が157人(同17人増)、次いで「医療業」が96人。人手不足もあり、対人関係の業界でハラスメントや過重労働が深刻化していることをうかがわせる。
(中略)
精神疾患で請求した人を年代別にみると、50代が287人(同70人増)と大幅増加、40代が最多の459人(同5人増)と、中高年の増加が目立った。30代は419人で高止まり、20代は281人で16人減少した。認定の原因では「心理的な負荷が極度に高い出来事」が87人で最多、「仕事の内容や量の変化」が75人、パワハラや暴行が60人だった。

毎日新聞より引用

「レスパイトケア」(レスパイト…一時的な休息)は、介護する家族が介護疲れしないよう、リフレッシュするために行われますが、これは介護の仕事に携わる人にも必要なのでは。

有給休暇をとることに罪悪感を感じる人が多かったり、有休をとる同僚に冷たく接する風潮のある日本ですが、精神疾患で労災を申請する人の多い業界だからこそ、まずはレスパイトケアを充実させてみるのはいかがでしょうか。

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