美的感覚がくすぐられる映画『グランド・ブダペスト・ホテル』

映画の紹介

アカデミー賞で4部門を受賞したことも話題を博した、ウェス・アンダーソン監督の映画『グランド・ブダペスト・ホテル』(監督: ウェス・アンダーソン、2014年、米)。

このホテルのビジュアルに美的感覚をくすぐられる人も多いはず。
このホテルがあるのはヨーロッパの東の端にあるといわれる「ズブロフカ共和国」。
行ったことのある方、いらっしゃいますか?

って、実はこのズブロフカ共和国とは架空の国w

これまた架空のホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」(ブダペストには同名のホテルがあったりして?)で働くベル・ボーイのゼロと彼の上司であるコンシェルジュの親子ほど年齢の離れた男同士の友情を縦軸に、巻き込まれてしまった殺人事件、牢獄からの逃走、ゼロの若き恋と結婚などをズブロフスカを代表する大作家が老いたゼロから聞き知るという物語です。

作家は想像力を働かせて作品を書くのではなく、ふとしたことからストーリーが向こうの方から誰かの口を通してやってくるとことを大作家はこのホテルで体験する。

縁とは奇妙なもので、それが1冊の本になることだってあるし、口伝で残される話もある。
なんだか「縁」について考えさせられた作品でした。

エンドロールにKunichi Nomura というお名前を拝見。
映画の最初の方に登場する、1960年代のグランド・ブダペスト・ホテルに宿泊していた唯一の日本人旅行者役の方のよう。
1950年代にパリのコンセルバトワールに留学されてらした方が、アジアからの留学生は日本人4人だけ、アジアの他の国の人はいなかったとおっしゃっていたから、1この頃、ヨーロッパのリゾートに滞在していた日本人って少数派ではあったものの実際にいたかも。

<ストーリー>amazonより引用
美しい山々を背に優雅に佇む、ヨーロッパ最高峰と謳われたグランド・ブダペスト・ホテル。その宿泊客のお目当ては"伝説のコンシェルジュ"グスタブ・Hだ。彼の究極のおもてなしは高齢マダムの夜のお相手までこなす徹底したプロの仕事ぶり。
ある日、彼の長年のお得意様、マダムDが殺される事件が発生し、遺言で高価な絵画がグスタブに贈られたことから容疑者として追われることに。愛弟子のベルボーイ・ゼロの協力のもとコンシェルジュの秘密結社のネットワークを駆使してヨーロッパ大陸を逃避行しながら真犯人を探すグスタヴ。殺人事件の真相は解明できるのか!?

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