あなたのためと思わせ、自分がメリットを得る「おためごかし」な人

2016年5月26日ライフスタイル

過日。
ファミレスでお茶を飲んでいたら、隣りに座った女性2人組の会話が聞こえてきました。

会話から分析すると、2人はスポーツクラブで知り合ったようで、Aさんはお茶に誘われた側、Bさんはお茶に誘った側。
Aさんはやたら「今日、Bさんがお茶に誘ってくれたから・・・」と自分が誘われた側であることを強調していました。こんなふうに。

「今日、あなたがお茶しようって言ってくれたでしょ? よかったー。でね、だから話すんだけど」と言った後に続くのは、自分が不満を抱いている近所の人について悪口三昧。

ん?なんか違和感を感じるんですけど。

その「違和感」を言語化してみると

Aさんは誘ってもらって嬉しく思っているのだろーが、誘われた側という優越感をタテにとり、(優位に立つゆえの)自分がその場のイニシアチブをとってもOKという考え方をしている。

ってこと。

しかも、Bさんがお茶を誘ったのは昨日、今日ではなくて、ずっと前っぽい。
そのうえ、Aさんの都合でこの日に延期になった様子。

自分の都合で約束をキャンセルし、それからタイムラグのある時点で「誘われた側」という立場ではなくなっているんだけどな~。

Aさんがいうべき言葉は「この前は約束を延期しちゃってごめんね」では?

で、思った。
Aさんのような言動をとる人を「おためごかし」というのではないかと。

御為倒し(おためごかし)とは、いかにも、あなたのため(御為)と見せつつ、目の前の人を倒して自分のメリットを得る行為。

Aさんのケースだと、「あなたが誘ってくれたから嬉しい」「時間をつくりました」と、さも「あなたのため」をアピールし、そのお茶の時間はすべて自分の話を聞いてもらうために利用する、ということでしょうか。

しかも、Aさんの話は(わ、聞き耳ずきんかぶりだよ、私!)「自分は困っていたけど、人やモノゴトにたすけられ、成功に導かれました」的な自己呈示。
人知れない悩みや失敗談を打ち明ける「自己開示」は、目の前の相手との心理的な距離を縮めるけれど、Aさんの場合は「これこれしかじかでネガティブな出来事がありましたが、私はこうやって解決し、今はハッピーにやってます」というアピール。

これは「偽装した自己開示」なんでねーの?

相手の作った機会を利用して自分がメリットを得る「おためごかし」は、本人はそのつもりはなくても、後で振り返るとそんなことになっていたってケースが実は多くあるんですよね~。
かくいう私も知らず知らずのうちにやってるかも(;_;)

さて、その対策は?
もちろん、自分の話をしてもいいけど、相手の話も聞く、人によっては聞き出してあげるというスタンスが大切なんじゃないかと。会話の軸をまわしましょうってことですよね。
なぜなら、人は自分の話を聞いてほしいし、共感されたいという性質をもっているからです。(とくに女性は!)

そして相手の話を自分の話題にすりかえる「会話泥棒」にならないこと。

もし目の前の相手が会話泥棒になりはじめたら、「あ、会話ドロボー!」と明るく言っちゃいましょう。
これは、昔、会話泥棒癖のあった友人が実際にこう指摘され「自分では全くそんなクセを意識していなかったんだけどさ。けど、心を傷めつけられずに気が付けたってよかった」と、えらく感動した方法だったりします(^o^)。

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