ビバ、私の脳!使うほどに成長する脳について
今日は脳は使えば使うほど、成長するというお話を。
皆さんはロンドンの伝統的なタクシー(Black cab)をご存知でしょうか。
このタクシー運転免許の取得は、世界一難しい試験をパスすることが必要。大変な難関なことで有名です。
まず、ロンドン全域の地理を頭に叩き込んで、目的地までの最短ルートを示さなければなりません。
(もちろん、カーナビなどナシ)
ロンドンにはいくつも、同じ名前のストリートがあります。
そのため、運転手はエリアコードと通りの名前を記憶し、目的地を言われたらすぐにそこへ行くための最短ルートを即座に組み立てる能力が必要。もちろん、マナーにうるさい英国のこと、お客様に気持よくサービスすることは技能以前の問題。
覚えることが目白押しで、すべてをマスターすることを思うと気が遠くなっちゃいそう。そんなわけで「ブラックキャブの運転免許を持っている」人は、それはそれは尊敬されるのです。
さて、この黒タクの免許を取得したグループと試験に落ちたグループの脳について、興味深い調査があるので紹介しましょう。
それは、免許取得したグループの脳を調べると「灰白質が増えていた」というもの。
灰白質とは神経細胞の集まりで、年齢を重ねるにつれ、小さくなり、萎縮していきます。
(そのせいで、脳が情報を処理する能力が衰える。認知症などがそれですね)
この調査でわかるのは、大人になっても新しい技術を得ようとすると、脳の機能は年齢に関係なく、灰白質が増える=活性するということ。
この状態をキープすると、高齢になっても家族や友人にたいして「おたく、どちらさん?」状態になど、ならないってことかと。
自分の脳は成長し続けている。
こう認識することが成長思考の前提になります。
■好きな歴史上の人物や尊敬する人をロールモデルに
成功をおさめた人物の生き方を研究し、彼らの思考を取り入れることも、脳の成長を促すでしょう。
にっちもさっちもいかない困難な状況下に身をおく羽目になったら、あの人物ならどう対処するか、どう声をかけるか、どう進むか。
自分のロールモデルを参照にすることで、考え方のヒントになります。
そして、結果だけで判断しないこともポイント。
望む結果を手にできなかった時。
結果=失敗、最悪、もう終わり
このようにとらえてしまうことがあります。
世の中の多くの人がフツーに取り入れてしまっているだろう、この思考を固定化してしまうと、オソロシイことに。
なぜなら、自分は何をやってもダメだと、脳に刷り込むことになるから。
その対処法として、もし、失敗したら、そのプロセスについて改良すべき点を考えてみましょう。
「あの時、この過程についてじっくり研究していたら、次はこの点を生かしていこう」など、結果を迎えるまでのことを思い起こし、原因を探ってみる。
日本にはほとんど存在しないかもしれませんが、グーグルなどの先進的な企業では「失敗」を発表し、表彰する企業文化を育んでいます。
そのメリットは、後ろめたい気持ちを払拭できることと、失敗から得られる技術やアイデアを見つけられること。そのことを皆で共有できること。こうなると「ウェルカム、失敗!」です。
そうすることで、失敗した社員は自責の念から解放されるだろうし、愛社精神も生まれる。なんて包容力のあるいい会社なんだ!と。
(日本はわりと相互監視社会なので、このスピリットを取り入れたいかも~)
結果だけで失敗したと思わず、プロセスを「生かす」ことが大切なんですね。
まずは「脳は使えば使うほどに成長する」を脳にインプットさせることからはじめてみませんか。
出典 『なぜ、一流になる人は「根拠なき自信」を持っているのか?』(久世浩司著)