スウェーデン発症の緩和ケア療法「タクティールケア」
菊池寛賞を受賞されたドクター近藤誠先生の著書『医者に殺されない47の心得』を拝読。どくた
現場でも活かせるトピックがたくさん掲載されています。
興味を引いたのは「タクティールケア」。
このケアは1960年代にスウェーデンの看護師が、新生児に触れることで体温が安定し、体重が増えることに気がついて広まったもの。
今では認知症の人への緩和ケアにも用いられています。
マッサージのようにからだをもみほぐすのではなく、両手の平を背中にそっと当て、包み込むように時計まわりで大きな円を描くように触れていく技法なのです。
その施術を受けた人はリラックスし、呼吸が深くなり眠ってしまうことも。
信頼関係のホルモン「オキシトシン」も分泌されるのでは。
2009年に浜松医科大学で認知症の高齢者に6週間、このケアを実施したところ、
1日に20分ずつタクティールケアの施術を受けたグループは、ケアを受けていないグル ープに比べて、暴言や暴力などが弱まり、認知機能が衰えなかったそうです。
そーいえば、フランスのイブ・ジネストさんが提唱する、認知症の方に行う「ユマ二チュード」も、人にふれることを基本としていますね。
愛情をもって手当(言葉通り、手をからだに当てること)は、癒しの原点なんだなーと思います。
近藤誠先生のお名前は以前から存じていましたが、著書を拝読すると、医療について「常識」と思っていたことが覆され、読む目が止まらない。
この本は47の項目にリスティグされていて、読みやすかったです。
また内容についてふれていこうと思います。
参考文献『医者に殺されない47の心得』