将来、認知症は治る!? アメリカの認知症新薬「アデュカヌマブ」
認知機能の改善を願う人はたくさん。
最近では週刊誌で紹介されたこともあり、アメリカの製薬会社「バイオジェン社」が開発した新薬「アデュカヌマブ」の存在を知る人も増えました。
この薬は脳に蓄積するタンパク質「アミロイドβ(ベータ)」を減らすためのもの。アミロイドβはり、認知障害を引き起こす物質といわれています。
さて、初期のアルツハイマー病患者を対象に、この「アデュカヌマブ」を投薬する臨床実験が行われ、アミロイドβを減らすことができたそうです。9月1日、イギリスの科学誌『nature』に掲載されました。
治験の対象は、初期のアルツハイマー病または軽い認知障害のある人で、脳にアミロイドβの蓄積が確認された165人。2グループに分け、新薬「アデュカヌマブ」と偽薬(プラセボ)による治療を1年続けた。その結果、薬の量が多いほど、脳のアミロイドβを減らす効果が高いことを陽電子放射断層撮影(PET)による画像で確認した。薬の量が多いほど、認知機能の衰えを抑えることも示されたが、効果については、現在進行中の大規模な治験で確認していく。
治験では、定期的な脳の画像検査などで、安全性に配慮しており、20人は脳浮腫や頭痛などの副作用のために治療を中止した。
アミロイドβを標的にしたアルツハイマー病薬の開発はこれまで失敗続きだった。病気が進み、神経細胞が減った患者を対象にしたことが主な原因と考えられており、早い段階を対象にした複数の治験が行われている。(瀬川茂子)
2016年9月1日08時29分 朝日新聞デジタルより引用
現在、アルツハイマーの治療は薬で進行を遅らせるのみで、根本的な治療薬はありません。
こんな状況のなか、この新薬の成果はアルツハイマー型認知症の治したい人にとって、大きな光明になるのではないでしょうか。
アルツハイマーを「根本的に治す」開発や研究に携わった人のなかには、脳にタンパク質がたまることで認知症が引き起こされる「アミロイドβ仮説」に否定的だった方もいたようですが、今回の治験結果で「アミロイドβ」に再注目される人もいるのでは。
将来、認知症は「治る」ことが当たり前になるとよいですね。
新薬の登場が期待されます。
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