交渉ゴトは朝より夕方以降に行え!黄昏時効果

2015年9月17日ライフスタイル

夕陽がしずしずと顔を見せる頃。
黄金色や赤紫色の薄布をかぶせたよう空が染まると、なんだか思索にふけりたくなります。

なんだか思索にふけりたくなる・・・そんな気持ちは「黄昏」る時間帯ならでは。
何でだろう?

実は人の体は夕方以降、活動能力が一時的に停滞しやすいいことがわかっています。
とくに夕食前の時間帯は疲労がピークを迎える時なので、思考力が低下するのです。
これは外界の明暗に関する希少変化やボディタイム(人間の心と体を司るリズム。バイオリズム)などが組み合わさり、起こる現象。

この現象を使って交渉事を行うと、成功率が高くなるといわれています。

その名は黄昏時効果(トワイライト・エフェクト)

この黄昏時効果を利用したことで知られるのはアドルフ・ヒトラー。
彼は民衆の前で演説をする時間帯に夕方を選んでいたことはよく知られています。

彼の側近であった預言者(占い師という説もあるけれど、実は人を操る技術に長けたメンタリスト?)エリック・ヤン・ハヌッセンの指導もあったのでしょう、疲労感を感じる時間帯に民衆を集めて直立させ、長時間の演説を行ったのです。

思考力が低下する時間帯に、これまた説得力のある話し方を体得しているヒトラーから、現状の訴えと未来のビジョンを示されると、多くの人々が賛同しました。

おそるべし、黄昏時効果!

1日の疲れのピークを迎える夕方は仕事の能率や判断能力が落ちてくる時間帯
(仕事のミスが発生しやすいのもこの時間帯だといわれています)
つまり、夕方以降は反論する気分ではないので、説得されやすく、暗示にかかりやすく、相手のペースに完全に飲まれてしまうということ。

ちなみに、交通事故、衝動買い、詐欺などもこの時間帯が多いとか。

■日本に伝わる逢魔が刻

日本には古くから黄昏時を表す言葉があります。

それが逢魔が刻(おうまがとき)。
逢う魔が時(おうまがとき)、逢う魔時(おうまどき)ともいいます。

逢魔が刻は黄昏時のことで、時間でいえば、「酉の刻」(18時頃)。
簡単にいえば「妖怪、幽霊など怪しいものに出会いそうな時間」。

もっと詳しくいえば、こちら↓コトバンク「世界大百科事典内の逢魔が刻の言及」より引用

たとえば,神の間,納戸(なんど),便所,軒,門,神社,寺,辻,橋,峠,村境などは,そうした境界の主要なものであり,これらの境界は物理的・社会的境界のみならず,神や妖怪のすむ他界との境界とも考えられていたので,こうした境界領域に妖怪たちが出没する傾向が強く認められる。また出没の時についても同様で,〈逢魔が刻(とき)〉と呼ばれた昼と夜の境の夕方と明け方に,妖怪はこの世界に出入りするとされている。

黄昏時は古来からもののけに気をつけろ!ということだったのでしょう。
黄昏時効果という用語や効果が一般的に知れわたっていない時代、感覚としてこの時間帯は人間の意志力が弱まることがわかっていたのでしょう。

となると、黄昏時には楽しく食事をしたり、おしゃべりするなど、ある意味、アタマを使わない作業をする方がよいのです。
もし、この交渉される側であれば、夕方に思考能力が低下することを考え、昼食後に短時間のお昼寝をあえてしてみるとか、交渉の席で「キレキレっ」でいられる対策をしておきましょう。

■朝と夕方の仕事をあえて分けてみる

一方、脳が活発に働くのは朝。

前頭葉が司る、意志力(will power)が活発に働くから、判断力があり、サクサクと仕事が進められる。

もし、この時間帯に交渉事を行うと、相手から意外なつっこみが入ったり、反論される確率大。
なので、プレゼンや商談などの交渉事は午前中に行わない方がベター。

私もこの記事を書くなど、大切なことは午前中にすませることを心がけています。
先日、記事で紹介したコレを取り入れると、なんとなくはかどるんですよね。
※今も書きながら流しています。
やはり、夕方以降に何かモノを書くことはなんとなく気分的に、しんどいんですよね(´・ω・`)

脳の特徴を知り、朝と夕方の仕事を使い分けると、効率が上がりそうです。