『笑いの力』ユーモアは人間を救う
『笑いの力』という本があります。
河合隼雄、養老孟司、筒井康隆の講演をまとめたものです。
その中で、河合隼雄さんが村上和雄さんの本『生命のバカ力』を紹介されています。
河合隼雄さんは「笑いは自然の大笑いや微笑みだけでなく、作り笑いや思い出し笑いでも効果がある」(『生命のバカ力』より)と紹介され、だから、自分の話が面白くなくても、作り笑いをして聞いてほしいと、講演で話されています。
興味深く思えたのは、赤ん坊が3ヶ月ぐらいたった時に、微笑むことについてふれてらっしゃること。
人間としての体勢ができた時に「外」にたいしての微笑みが生まれ、それが母親の母性を引き出す力を持っている。赤ん坊の微笑みを見てまず怒る人なんていませんよね。
微笑みが生むのは安心感や平和。
人と人との関係(この場合は赤ん坊と母親)が生まれるベースにあるのは、微笑みだと説かれています。
一方、動物は笑わない。
けれど、自然んままに生きてると変なストレスがないので、笑わなくても生きていけるのではないかと。
人間は長く生きていることで文明の中でで生き、それはストレスをためることでもあるのですが、それを解除する方法「笑い」も生まれながらに備わっているということを述べられています。
なるほど。
ストレスをためることとそれを解除する方法を人間は持って生まれているのですね。
ところで、アメリカの実験で、普段から人を笑わせている人は、そうでない人に比べて唾液中の風邪予防の免疫物質イノムグロブリンAが高く、身体によいことがわかっているそうです。
ユーモアは人間を救う。
そんなことを感じた1冊。
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