サイバーダインの「HAL 医療用 下肢タイプ」が保険適用に

2016年4月5日ニュースと考察

サイバーダインが開発する歩行リハビリ訓練用ロボットスーツ「HAL 医療用 下肢タイプ」が保険適用となり、医療機関でレンタル販売されます。

 筑波大学発ベンチャーのサイバーダインが開発した装着型のロボット が、4月の保険適用に合わせて医療機関へレンタル販売される見通しに なった。ALS(筋萎縮性側索硬化症)など歩行機能が衰える8つの難 病に限られるが、脳梗塞や脊髄損傷で足が不自由になった人などへの応 用も期待される。ホンダも歩行訓練機器の市場に参入するなど2020 年には、医療機関や介護施設で装着型ロボットを目にする機会が増えそ うだ。

 サイバーダインがレンタル販売するロボット「HAL医療用下肢タイ プ」は、患者の足腰に取り付ける。足を動かそうとするときに脳から出 る信号を太ももなどに付けた電極で検知し、モーターで足の動きを助け る。治療を続けると体が歩き方を思い出し、機能改善につながるという。

 神経や筋肉の難病のほか、脊髄損傷や脳卒中で歩行機能が低下した患 者向けへの適用拡大も目指す。(中略)

 同社の山海嘉之社長は医療や介護の現場で装着型ロボットを普通に目 にする時代を見据える。20年ごろをメドに革新的な医療ロボットや介 護ロボットと共存できる街「サイバニックシティ」を、本社のある茨城 県つくば市に造りたいという。

 計画では、8.4ヘクタールの敷地に歩行支援ロボットなどを配備し た高齢者向けの居住施設や、医療機器などを開発するベンチャー育成施 設も設ける。「世界から起業家を集め『サイバニクス国際イノベーショ ン・ロボット事業推進拠点』の整備を急ぐ」。

 人の歩行を助ける介護ロボットの開発も相次ぐ。ホンダは昨年10月、 リハビリなどで歩行訓練を補助する「ホンダ歩行アシスト」で、国際安 全規格「ISO13482」の認証を取得。昨年11月には、このロボ ットのレンタル販売を始めた。ヒト型ロボット「ASIMO(アシモ) で培った人の歩行研究の理論をもとに開発した。

 3年間のレンタル契約で1台当たり月額4万5000円。脳卒中など 足が不自由になった人の歩行訓練などに使える。すでに全国60カ所を 超える医療機関や介護施設に170台以上を導入済みで、20年には累 積2000台以上に増やすことを目指している。

 (後略)

 (日本経済新聞2016年2月22日(月)より抜粋)

サイバーダインが開発した「HAL 医療用 下肢タイプ」は歩行機能を改善するロボットスーツとして、初の保険適用対象となります。

なお、厚生労働省の導入支援事業の対象機器となっている「HAL 腰タイプ」は、稼働台数が順調に増加しています。
2014年末の累計稼働台数19台にたいして、2015年末時点で428台と、20倍以上も増加。

その背景にあるのは、少子高齢化による労働人口の減少。介護の業界と同じく、人手不足に悩まされている物流倉庫業や建設業など、労働環境を改善するため(腰痛への負担を軽減する)に起用されています。

今はまだ「物珍しい」感じがするロボットスーツ。
65歳以上が3人に1人になるといわれる2035年、その頃にはロボットスーツもかつての移動電話機がスマホに進化したように軽量&充実した機能となり、人々は車やバイクを購入する感じでこのロボットスーツを求めているかも?

一度使ってしまえば、なくてはならないものになる。
かつての携帯電話の登場がそうであったように、ロボットスーツも未来はそんな存在になるような気がするんですよね。